企業が自社専用の携帯電話ネットワークを作れる「プライベートLTE」。第2回は、プライベートLTEを実現する製品・サービスの動向を見ていく。

ネットワーク機器と端末

 プライベートLTEのネットワークは、携帯電話事業者がLTEサービス用に構築したものと同じである。ただし、構成はシンプルだ。基地局の「eNodeB」、基地局をつなぐコアネットワークに相当する「EPC」、ユーザーデータベースに当たる「HSS」を用意すればプライベートLTEのネットワークを構築できる(図1)。

図1●プライベートLTEのネットワーク構成
小型のネットワーク機器を使うが、構成要素は携帯電話事業者のLTEサービスと同じである。EPCには、S-GW(Serving GateWay)やP-GW(Packet data network GateWay)などのパケット交換機、MME(Mobility Management Entity)などの制御装置の機能が含まれる。
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 携帯電話事業者の場合、EPCはパケット交換機のS-GWやP-GW、制御装置のMMEなど、複数のノードで構成されている。これに対し、プライベートLTEはこれらの機能を1台にまとめている。また、EPCがHSSを含むケースや、eNodeBがEPCを搭載するケースなど、さらに小規模な構成を実現できる製品もある。

 eNodeBについては、sXGPに対応している製品を選ぶ。具体的には、(1)国際的にLTE向けとして定められている1.9GHz帯の「Band 39」のサポート、(2)「LBT」と呼ぶ電波干渉対策機能の搭載、の2点への対応が必要である。

 内線電話として使うなら、内線と外線をつなぎ、呼制御を受け持つ装置が必要になる。具体的には、SIPサーバー、IP-PBX、IMSのいずれかを使う。

 一方、子機のスマートフォンやパソコンは、LTEのBand 39に対応しているだけでよい。Band 39は中国の大手携帯電話事業者である中国移動通信(チャイナモバイル)が使っている周波数帯なので対応端末が多い。ただし、無条件で対応端末を国内で使えるわけではない。XGP ForumのSecretary Generalの入部 良也氏によると、Band 39での技適(技術基準適合証明)を取得している必要があるという。

プライベートLTE向けの製品例

 プライベートLTE向けに現在使える製品の例を見てみよう。海外ではすでに製品やサービスが提供されており、国内でも出始めつつある。

 例えばフィンランドのノキアは公共向け携帯電話サービスで用いる基地局や伝送装置などを手掛けており、プライベートLTE向けの製品も用意する。海外では発売済みだ。

 EPCやHSSはクラウドサービスとしても提供可能なほか、基地局とコアネットワークをコンパクトにまとめた可搬型の製品もある(写真1)。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスでエネルギー・運輸・公共事業部 シニア・ソリューション・アーキテクト理事を務める霜越 潔氏は「重量は約25kgで、背負って歩ける。災害現場などでも迅速に通信環境を構築可能だ」と説明する。

写真1●ノキア製の小型LTE基地局
災害現場などに持ち込んで、LTEネットワークをすぐに構築できる。
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