ロボット  人工知能|デジタルツイン|エッジOS|オープンPLC |予知保全

 日本と同様に人手不足に悩む欧州。ハノーバーメッセ2019でもロボットによる工場の自動化は、「5G」と並ぶ大テーマだった。

 欧州におけるロボットメーカーの雄であるスイスABBは、対話型の協働ロボットや「世界初」をうたった自動車の塗装ロボットなどを展示。「デジタルソリューションを活用した未来の工場」のモデルを示すなど気を吐いた。

 番狂わせだったのが、ABBと並ぶ欧州のロボットメーカー独クーカの“不参加”だ(Part2の別掲記事を参照)。コネクターメーカーの独ハーティングのブース内にEVの自動充電ロボットやフレキシブル生産システムを共同出展するにとどまった。

 ロボットを中心に展示したホール17では、独クーカの不参加を埋めるかのように、ファナックやデンソーウェーブ、セイコーエプソンなど日本メーカーの出展が目立った。中には安川電機やヤマハ発動機のように、ブースの面積を昨年の2倍に増やしたメーカーもあった。

 成長著しいアジア圏とは違って欧州は成熟市場だ。しかも最近は英国のEU離脱を巡る混乱もあって、欧州経済は「停滞」のイメージが強い。それでも欧州の巨大な市場規模と、産業用ロボットのニーズの高さは無視できないようだ。「協働ロボットの市場は欧州ではこれから。活用で先行する日本メーカーが食い込む余地がある」と指摘する日本メーカーの担当者もいた。クーカは2016年に中国の家電大手である美的グループに買収されるなど、業界にも大きな動きがあり、欧州市場でのシェア拡大の好機と捉える声も聞かれた。

* 国際ロボット連盟(IFR)が発行した「2018年度 World Robotics Report」によると、2017年度の全世界における産業用ロボットの販売台数は38万7000台。IFRは2021年には63万台まで増えると推測している。ちなみに製造業におけるロボット密度(従業員1万人当たりのロボット)は欧州が最大で106台(世界平均は85台)。南北アメリカは91台、アジアは75台。

図1 スイスABBが展示した自動車の自動塗装ロボット

スイスABBが出展した自動車の自動塗装ロボット「RB1000i」(a)。粘度の高い塗料を塗布するために必要な「ベルカップ」(高速で回転して塗料を分散し、小滴化する)や「エアーモーター」(圧縮空気を送り込む)などの振動や回転、圧力、加速度、温度などを監視するセンサーを搭載。塗装作業中にリアルタイムで稼働状況を把握し、塗装作業を最適化する。塗着効率(塗装に使用した塗料の量と実際に被塗物に塗着した塗料の比率)を向上させ、塗装中に色を変更する際の塗料の無駄を約75%削減できるとする。圧縮空気の消費量も約20%削減できる。(b)は対話式協働ロボットなどの展示。(写真:日経ものづくり)

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