緊急事態に遭遇した場合の対処をあらかじめ策定した事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)。地震や水害などの災害が頻発した近年、その重要性があらためて認識されるようになった。ただし、BCPの取り組みの中には、企業の日常的な事業遂行や経済性とトレードオフの関係のものがある。地震などに備えた設備の固定は多くの企業が取り組んでいるが、コストにひびく調達先の分散や設備の二重化などは企業によって対応がまちまちのようだ。

Q1 あなたの勤務先・
所属先で実施しているものは何か。

最も多いのは「倒壊・落下防止を目的とした工場などでの生産設備の固定」で7割近い。製造コストに大きな影響を及ぼす取り組みではないため実施しやすいようだ。一方、それ以外は「同一の資材や部品の複数社からの調達(複数社調達)」(40.0%)、「災害時の安全供給を目的とした製品や部品の在庫の保持」(33.0%)、「工場設備の二重化や、2カ所以上の工場への生産の分散」(30.0%)と実施率は高くない。

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Q2 設備を固定すると安全性は高まるが、設備移動に伴う改善をしにくいというトレードオフが生じる。
どちらを優先しているか。

「設備の固定を優先する」「どちらかといえば設備の固定を優先する」が合わせて63.5%を占め、改善の容易さよりも安全性を優先している現場が多い。設備の倒壊・落下は直接的な損害になるのに対し、改善性の容易さを犠牲にしてもコスト面での影響は大きくないためと考えられる。

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Q3 製品や部品の在庫を持つと災害時の安定供給に有利な半面、在庫削減とのトレードオフとなる。
どちらを優先しているか。

「安定供給を優先した量の在庫を持つ」「どちらかといえば安定供給を優先した量の在庫を持つ」が合わせて37.0%だった。一方、「在庫を極力減らす努力を優先している」「どちらかといえば在庫削減の努力を優先している」が合わせて38.0%と、拮抗している。安定供給と在庫削減によるコスト削減・生産性向上のどちらを優先するか、企業によって立ち位置が大きく異なる。

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