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六甲事業所
所在地神戸市
稼働開始時期2008年
生産品目産業用多関節ロボット
生産能力1万2000台/年
2013年から生産ライン自動化、2018年にロボット組み立ての自動化率8割達成

 「産業用ロボットを組み立てる工程の自動化率を約8割にまで拡大した。今後は自動化を主力機種以外にも水平展開したい。将来は検査など組み立て以外の自動化も進めたい」。ダイヘン常務執行役員FAロボット事業部長の金子健太郎氏は、同社六甲事業所(神戸市)における生産自動化の取り組みについてこう語る。

 六甲事業所ではアーク溶接用の多関節ロボット(産業用ロボット)などを生産する。同事業所での自動化は2013年度から開始。2013年度に年間約7000台だった生産能力は、2018年度に年間約1万2000台と増えた。生産能力が5年で約70%高まったことになる。逆に、製造人員は2013年度に比べて2018年度は50%減を実現している。

ロボット組み立てを自社ロボットで自動化

 産業用ロボットを生産する工場建屋は、事務所棟や材料倉庫に囲まれた六甲事業所の中央部にある(図1)。内製部品の機械加工と仕上げ加工、ベースユニット(ロボットの下部)の組み立てを1階で行い、組み立てたベースユニットをリフトで3階へ搬送。3階ではロボットアーム(ロボットの上部)を組み立てた上で、ベースユニットに組み付ける。その後、検査を完了させてからリフトで1階へ下ろして出荷する。

* 2階は製造・品質管理の事務所などがある。

図1 六甲事業所の敷地
事務所棟と材料倉庫に挟まれるようにしてロボットを生産する工場がある。(出所:ダイヘン)
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 部品の仕分けやケーブルの取り付け、検査などは作業者が行うが、機械加工から組み立てまでのほとんどで自動化を進めた。生産対象であるロボット(以下、ロボット製品)の部品を加工したり、組み立てたりするのは自社製の多関節ロボット(以下、FAロボット)だ。ユニットや完成品の搬送にはAGV(無人搬送機)などを活用する。

 FAロボットによる自動化を実現する上で大きな役割を果たしたのがセンサーだ。例えば、ロボット製品のベースユニットなどに使われる鋳物の仕上げ加工(図2)。鋳物の端部を面取りする作業では3mmの誤差があれば、グラインダーを取り付けたFAロボットがティーチングした通りに動作しても、空振りしたり、逆に削り過ぎたりしてしまう場合がある。

図2 ロボットが鋳物を加工
鋳物部品の端部を加工している。加工しているFAロボットのアーム先端部にはレーザーセンサーが設置されており、鋳物の実際の形状を認識し、調整して加工する。(出所:ダイヘン)
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 そこでFAロボットのアームの先端部にレーザーセンサーを設置。加工時には鋳物の実際の形状をセンサーで測定し、誤差を補正してグラインダーの位置や向きを制御する(図3)。

図3 ロボットがロボットを組み立て
FAロボットがロボット製品のアーム部を組み立てている。効率的に作業を進めるため、FAロボットのアーム先端部に力覚センサーなどを組み込んである。(出所:ダイヘン)
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 ベースユニットの組み立てでは、力覚センサーが精緻なはめ合いに一役買っている。例えば、FAロボットを使ってベース中央部に減速機を組み付ける作業では、組み付け部に0.05mm程度しか隙間がない。ほんのちょっと減速機が傾いているだけで干渉して差し込めなくなる。

 FAロボットのアームの先端部に力覚センサーを設置したのは、こうした事態に対応するためだ。ベースに減速機をはめ込むとき、組み付け部が干渉してFAロボットのアームに負荷がかかったのを検知して、減速機の向きやはめ込む方向が変わるようにアームを動かす。

 組み立て作業中にはさまざまな情報を収集し、ホストコンピューターに記録して管理している。例えば、減速機などの各個体に刻印された製造番号をFAロボットに設置したカメラで撮影。ボルト締め付け時のトルク値や組み立て完了日時などと合わせて記録する。こうしたデータで組み立て作業の進捗などをチェックし、搬送指示などにも用いる。

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