日本人設計者が中国メーカーと一緒にものづくりをすると、不良品発生などのトラブルが起こってしまうことがあります。しかし、その本当の原因は中国に無理解な日本人設計者にあるのかもしれません。駐在の4年半を含めた7年間、中国でのものづくりに関わった私が、失敗経験を紹介しつつ、その理由を分かりやすく解き明かすこの連載。前回は「確実な情報の出し方」についてお伝えしました。今回は通訳など日本語が達者な中国人との「会話」の落とし穴を取り上げます。

「しょっちゅう」は9割方伝わらない

 私は中国での駐在中、日本語の上手な中国人に必ずと言っていいほど聞いていた質問があります。それは「『しょっちゅう』という言葉の意味を知っていますか」という質問です。質問された中国人は、ほとんどが「しょっちゅう」という日本語を聞いたことがあるものの、その意味を知りませんでした。なんと知っていたのは約50人中わずか3人だけでした。

 「しょっちゅう」について質問する際、これに加えて「やっかい」と「輪ゴム」という日本語の意味についても一緒に聞きました。これら3つ全ての言葉の意味を知っていた中国人はさらに少なくなり、約50人中に1人だけだったのです(図1)。

図1 日本語で会話できる中国人が知らない日本語は多数ある
「しょっちゅう」「やっかい」「輪ゴム」約50人に聞いたところ、これら3つ全部の意味を知っていたのはたった1人だった。(イラスト:PIXTA)
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 これら3つの単語は、私たち日本人にとってはとても簡単な日本語です。ところが、ほとんど問題なく日本語で会話できる中国人でも、このとても簡単な日本語の意味を知らないのです。駐在していた当時、私は不思議でなりませんでした。しかし多くの中国人に、これらの3つの言葉の意味について質問しているうちに、その理由が分かってきました。

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