マスプロダクション(大量生産)とカスタマイゼーション(個別設計・生産)を高い次元で融合する「マスカスタマイゼーション」に取り組む企業が増えてきている。低コスト、短納期という高い生産性と顧客の個別ニーズへの対応という2兎を追い、その両者ともを得ようという取り組みだ(図1)。

図1 マスカスタマイゼーションの定義
マスプロダクション(少品種の大量生産)とカスタマイゼーション(個別設計・生産)の利点を併せ持つのがマスカスタマイゼーションである。
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 前ページまでの「広がるマスカスタマイゼーション」で紹介したように、ドイツ・ビーエムダブリュー(BMW)は乗用車「MINI」の内外装部品のカスタマイズサービスを2018年に開始。自動車分野だけでなく、シューズやメガネ、シャツなどの人が身に着ける製品やスポーツ用義足、歯科矯正器具など幅広い分野でマスカスタマイゼーションの取り組みが始まっている*1

*1 これらの事例はBMWのように既に有料サービスとして提供開始しているものばかりではなく、研究開発中のものも含まれる。

 マスカスタマイゼーションへの取り組みは、顧客にとっての製品の付加価値(魅力)を高めることにつながり、売り上げの拡大といったメリットが期待できるだけではない。高付加価値な製品を低コスト、短納期で提供できる力は、メーカーの競争力、収益力も高める。

 マスカスタマイゼーションの広がりは、近年登場した新しい技術が後押ししている。顧客ニーズを製品の設計データへと迅速に反映させるジェネレーティブデザイン(Generative Design、GD)や、形状が一つずつ異なる部品でも低コストかつ短納期で生産するアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing、AM)/3Dプリンティングなどがそれだ。

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