第2回では、技術を使える化する手法「QFD-Advanced」の2つの仕組みについて詳しく説明します。まず1つは、二元表情報の拡大と質の向上を図るための「二元表のネットワーク(基本二元表+外側二元表+二元表への情報の埋め込み)」です。そしてもう1つの仕組みは、二元表のネットワークをたどって“いもづる式”に情報を引き出して表示する「ワークシート機能」です。第1回で述べたように、どちらも従来のQFD(品質機能展開)は持っていない新しい仕組みです。

二元表相互の連携でネットワークを構成

 まず二元表のネットワークを構成する新規の概念「外側二元表」に関して、対となる概念「基本二元表」と合わせて説明します。基本二元表が一般的なマス目の表、外側二元表が濃いグレーの表です(図1)。もちろん通常であればどちらも一般的なマス目の表ですが、区別するために外側二元表だけをグレーにしています。

図1 二元表のネットワーク
実線太枠は基本二元表の情報、点線太枠は外側二元表の情報を示している。
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 基本二元表は対象システムを整理するとき、言葉通り基本となる二元表です。図1では、実線太枠で囲まれた5つの次元の異なる情報(実線太枠は6つあるが「品質特性」が重複している)をつないだ4つの二元表を指します。そして「顧客要求品質×品質特性」の二元表(品質表)と、「品質特性×機能展開」の二元表は、「品質特性」という情報を仲立ちにして相互に連携できます。

 それに対して、実線太枠の情報と点線太枠の情報の交点を示す二元表を、外側二元表と呼びます。図1において実線太枠の情報は5つあって各基本二元表を構成していますが、さらに点線太枠で囲まれた「故障モード」「誤差因子(ノイズ)」「外部規格対応」などの情報をもう1つの軸として二元表を作成できます。こうして作成した二元表が外側二元表です。

 理解を深めるために、基本二元表の1つである品質表(顧客の要求品質と商品の品質特性との二元表)と、対応する外側二元表となる顧客シーン分析用二元表を用います(図2)。品質表の縦軸である顧客の要求品質という情報と、顧客の種類、使われる時間や場所という情報との関係性を示しています。

図2 品質表(左)と、顧客の活用シーン分析用外側二元表(右)
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 顧客の種類、使われる時間や場所によって顧客の求めている要求が異なる場合が多いのですが、二元表でその違いを明らかに出来ます。これで顧客の種類などにより、どのような要求品質、品質特性が求められているかが明確になって、商品を企画する上で有用な参考情報となるでしょう。

 また基本二元表でも、外側二元表でも、二元表のマス目には情報間の対応関係の内容を埋め込めます。図2の二元表であれば、ある顧客Aがどうしてこんな要求品質を求めるのか、あるいはこの要求品質が求められるのがなぜその時間や場所なのかなどの情報を埋め込めるわけです。

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