「トヨタ流人づくり 実践編 あなたの悩みに答えます」では、日本メーカーの管理者や社員が抱える悩みに関して、トヨタ自動車流の解決方法を回答します。回答者は、同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏。自身の経験はもちろん、優れた管理手腕を発揮した他の管理者の事例を盛り込みながら、トヨタ流のマネジメント方法を紹介します。
悩み

自動車部品メーカーに勤めています。自動車メーカーと長年取り引きし、品質とコストの厳しい要請に応えてきました。しかし、近年は電動化や自動運転、コネクテッドカーなど、弊社が苦手な分野の技術開発が注目されています。こうした中で、今後も仕事を得るにはどうしたらよいでしょうか。それにしても、経営が盤石なトヨタ自動車グループと取引のある会社がうらやましいです。

編集部:自動車業界は100年に1度ともいわれる変革期にあります。新興国の台頭や異業種の参入に加えて、新しい技術や各国の政治にも対応しなければならず、先行きは不透明です。それでも、トヨタ自動車はうまく乗り越えて勝ち残ると信じている自動車部品メーカーが多いように感じます。トヨタ自動車の経営は盤石だ、と。

肌附氏—それは大きな誤解です。確かに、トヨタ自動車は今、この激変期を乗り切るべくさまざまな手を打っています。自動運転では日本よりもIT系人材が豊富な米国に人工知能などの研究開発を行う子会社Toyota Research Institute(TRI)を設立しましたし、EVではEV C.A. Spiritという会社をデンソーやマツダと共に立ち上げました。これらは有名なので知っている人も多いでしょうが、他にも情報収集を含めた大小いろいろな施策を講じています。

 確かに、足元の業績は好調です。2017年度の売上高は29兆円を超え、営業利益は約2兆4000億円に達しました。この数字を見て「今後も盤石だ」と世間の多くは感じるのでしょう。しかし、トヨタ自動車の中では、危機感を覚えている社員の方が多いと私は思います。

編集部:どういうことでしょうか?

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