「OPC UA(OPC Unified Architecture)」という産業ネットワークのデータ交換仕様をご存じだろうか。非営利団体のOPC Foundationが2008年に発表、その後「IEC62541」として国際標準化された。2015年にはIoT(Internet of Things)で製造業の革新を目指すドイツの取り組み「インダストリー4.0」で「通信の推奨技術」に定められ、欧州を中心にスマート工場の標準技術として普及しつつある。しかし欧州での盛り上がりとは逆に日本での動きは鈍い。そもそもOPC UAとはどんなものなのか、その真価はどこにあるのか。日本企業はこの標準規格をどう考えているのか。見ていこう。

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 「例えばプリンター。メーカーや性能が異なってもパソコンにつなげばすぐに使えますよね。マウスやキーボード、スキャナーやUSBメモリーなどもつなげばすぐ使える。なぜかというとパソコンには接続した機器を識別して、適切な接続ができる機能があるからです。OPC UAが普及すれば産業機器で同じことができるようになる」─。

 OPC UAの普及活動を展開している日本OPC協議会普及部会部会長の岡実氏は、産業機器のデータ交換標準「OPC UA(OPC Unified Architecture)」が目指す世界をこう例える。

 OPC UAは非営利団体のOPC Foundationが2008年に公開したFA機器向けのデータ交換標準規格だ。1997年に登場した「OPC Classic」を基に、プラットフォーム非依存に改良、機能を拡張した。「OPC」は現在、「Open Platform Communications」の略と定義しているが、元々は「OLE for Process Control」の略称だった。この名からも分かるように、OPC Classicは米マイクロソフトのWindowsに搭載されたソフトウエア間通信の機能であるOLE*1をFA機器向けに拡張した仕様で、当初はWindowsの利用を前提としていた。

*1 OLE(Object Linking and Embedding)は米マイクロソフトのWindowsで動作するソフトウエア同士でデータをやりとりするための標準仕様である。当初はワープロ文書に画像や表を貼り込むといった用途のために作られ、その後、ソフトウエア同士やOSとソフトウエアの間のあらゆる通信やデータ交換に利用できるように拡張し、「COM(Component Object Model)」やこれをネットワーク分散型にした「DCOM(分散COM)」として再定義した。OPC UAもプラットフォーム非依存にした形でこれらの技術を使っている。

 いわゆるスマートファクトリーの実現には、メーカーやOSが異なるFA機器をあまねくつないで、それぞれが持つデータを簡単に交換できるようにする必要がある。OPC UAはFA機器の相互接続を自動化し、適切にデータ交換するための手続きを定めており、プラットフォームを越えたデータ交換標準規格として注目が高まっているわけだ。

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