ナガセケムテックスは、高い応力緩和特性を持つ熱可塑性樹脂と同じような特性を持つ熱硬化性エポキシ接着剤の開発、鋼-アルミニウム(Al)合金の異種材料接合用途での実用化を目指している*10。独自の熱可塑性エポキシ樹脂技術を利用し、限りなく熱可塑性樹脂に近い特性の高靱性熱応力緩和エポキシ系接着剤を開発した(図10)。

*10 NEDO「革新的新構造材料等研究開発」プロジェクトのテーマ「構造材料用接着技術の開発」に、ISMAの再委託先として参加して開発した。

図10 引っ張りせん断試験と引っ張り試験を行った後の試験片
左がAl同士の接着継ぎ手に引っ張りせん断試験を行った後の試験片。右が接着剤硬化物に引っ張り試験を実施した後の試験片。(出所:ナガセケムテックス)
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 異種材料の接着の課題は被着体の熱膨張率(線膨張係数)や弾性率の違いによって発生する熱応力だ。新接着剤は高い応力緩和特性を備え、この課題を解決する。

 接着強度も最高レベルだ。引っ張りせん断試験でAl同士を接着すると、Al自体が破断(母材破断)する材料破壊モードとなった。接着剤の接着強度が母材の強度を超えている。

油面接着性を高めて現場で使いやすく

 熱可塑性エポキシ樹脂は高い架橋密度を持つ3次元構造を有するため、分子間の相対的な滑りが可能であり、応力緩和特性が高くなるが、耐溶剤性が低い。熱硬化性エポキシ樹脂はその逆の特性を持つ図11。新しい接着剤では応力緩和性を高めるために、応力緩和剤となり得る柔軟な原料と、応力緩和効果の高い組成を見いだした。

図11 エポキシ樹脂の重合過程
(出所:ナガセケムテックス)
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