AGCは素材開発を加速させるために、拡張現実(AR)技術を導入する。Webプラウザー上でARを使える「WebAR」技術の試験運用を、同社の生産技術部などで2019年12月から始めた。

 素材の開発では量産に至るまで数十年かかるケースもあり、その期間の長さが課題になっていた。この課題を解決する手段として、同社はAR技術を採用。素材を量産するための生産設備の開発期間を「30%短縮できる」(同社)と期待しているという。

設備の設置状況をシミュレート

 想定する利用イメージはこうだ。例えば、設備を生産現場に設置した場合、使い勝手に問題がないか、設備が邪魔になって現場の作業効率を損ねたりしないかといった点を、設備の設計段階でARを使って確認する。設備の設置を検討している場所でスマートフォン(スマホ)をかざすと、その場所の実映像上に、開発中の設備の3Dモデルが重ねて表示される仕組みだ

* 設備の3Dモデルは、設計データなどを基にあらかじめ用意しておく。

 このように、開発中の設備をそのままの形状やサイズ感で現場風景に重ね合わせて表示し、設備を設置したときの生産現場の状況をつかむ(図1、2)。問題があると分かれば、設備開発部門に速やかに伝え、無駄な試作などを減らす。

図1 ARの利用イメージ
装置増設後のフロアレイアウトに問題がないかどうかを確認している。(出所:AGC)
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図2 デモの様子
タブレット端末には現実にはない設備が映っている。(写真:日経クロステック)
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 AGCが今回導入・試験運用するWebARは、AR技術のスタートアップであるKAKUCHO(本社東京)が開発したもの。専用のスマホ用アプリケーション(アプリ)などを開発することなく、Webブラウザー上でARを簡単に扱える。あらかじめWebサイトのURLを共有しておき、利用者がそのサイトにアクセスすると、ARのための画像が表示される。WebサイトのQRコードを作成しておけば、それをスマホでスキャンするだけで簡単にアクセスできる。

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