中小企業など58社が出展し、金属・樹脂・新素材の加工技術などを披露した「ものづくりパートナーフォーラム(MPF)大阪2019」(主催:日経ものづくり)が2019年9月4日に大阪・梅田のハービスホールで開催された。プレス加工でプリント配線基板(PCB)を打ち抜く際にバリを出さない技術、異なった樹脂同士を接着剤なしで密着させる技術など、独自性の高い技術の展示と、要素技術を求める来場者でにぎわった(図1)。

図1 ものづくりパートナーフォーラム2019の会場
2019年9月4日、大阪・梅田のハービスホールで。900人強が来場した。(写真:日経ものづくり)
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PCBのガラス繊維によるバリを解消

 PCBの輪郭を精密にプレスで打ち抜く「RSAF工法」を披露したのが、藤原電子工業(本社大阪府八尾市)だ。特徴は打ち抜いた後のエッジ部にバリが生じにくいこと。PCBを組み込んだ製品内にバリ由来のホコリが出て不良品になるリスクを減らせる。「ルーターでの切削による仕上げと同等の品質をプレス加工のみで実現した。きれいな仕上がりと大量生産による低コストを両立できるのがメリット」(同社代表取締役の藤原義春氏)。

 展示では、1.6mm厚のガラスエポキシ基板を例に、従来工法とRSAF工法を比較していた(図2)。一般にPCBの輪郭打ち抜きでは、金型の上型と下型が衝突しないよう、隙間(クリアランス)を板厚の1/10ほど持たせる。ところが、この隙間によって基板に含まれる細いガラス繊維が引きちぎられ、一部がバリとして残ってしまう。

図2 プリント配線基板をプレス加工で打ち抜いた例
RSAF工法(左)と従来のプレス加工(右)とで金型が打ち抜いたエッジ部を比較すると、RSAF工法はバリが少ない。また、RSAF工法は配線のすぐ近くを打ち抜ける。写真は拡大鏡を通して撮影したため、場所によっては歪んで見えている。(写真:日経ものづくり)
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 そこで、RSAF工法は次の2つの工夫を取り入れた。まず、クリアランスを約2μmまで狭くした。次に、プレス加工時の振動を減らし、上型と下型の衝突を避けた。具体的には、「サーボプレスを制御するソフトウエアを工夫してじわっと抜くようにしたのと、金型に改良を加えて上型と下型がかじりかけたときの力をうまく逃がせるようにした」(藤原氏)という。RSAF工法で扱えるプリント基板の大きさは、およそ250×250mm。ただし、プレス加工に必要な抜き荷重の大きさによって、扱える基板の大きさも前後するという。

 藤原氏はRSAF工法について、自動車関連の需要があると見る。例えば、ルームランプやメーターユニットだ。「透明な樹脂製のきょう体内にPCBを組み込む場合、バリ由来のホコリは製品の見た目に直結する」(藤原氏)からだ。同社はRSAF工法によるプレス加工を受託するほか、PCBメーカーに同工法の採用を提案中だ。

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