知能ロボットコントローラーを開発・販売するMUJIN(本社東京)は、物流分野において人工知能(AI)やロボットを活用したサービス提供で、アクセンチュア(同)と協業すると発表した(図1)。

図1 アクセンチュアとMUJINの社長ら
右から2番目がアクセンチュア代表取締役社長の江川昌史氏、同3番目がMUJIN CEOの滝野一征氏。(出所:日経ものづくり)
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 物流計画の策定から技術導入、運用に至るまでの包括的な支援サービスを共同で提供するとしている。大きくは、需要予測に基づいた在庫の最適化などの計画・情報活用をアクセンチュアが、倉庫で稼働するロボットの知能化をMUJINが担う。両社共同でのソリューション提供によって、倉庫作業の自動化や可視化、運用データに基づく物流計画の最適化といった「物流領域における一貫したデジタル変革を図る」(アクセンチュア)。

「倉庫ではロボティクス技術が重要」

 MUJINは、「モーションプランニングAI」と呼ぶ独自のAI技術を活用し、産業用ロボットの動作プログラムを自動生成する専用コントローラーを開発・販売している。同社のロボットコントローラーを使えば、産業用ロボット導入のハードルの1つであるティーチング作業が不要になる。汎用のコントローラーなのでロボットメーカーごとに操作方法が異なるといった課題も解決できる。

 一方、アクセンチュアは、AIやデータ分析などのデジタル技術を駆使して、現場の課題を解決する「AI Powered サービス」を提供している。現在、コンタクトセンター向けの「AI Powered Contact Center」、事務・管理業務向けの「同 Back Office」、対面接客向けの「同 Concierge」、サプライチェーン管理向けの「同 SCM」がある。今回のMUJINとの協業は、同 SCM向けのサービス強化の一環だ。

 「倉庫ではロボティクス技術が重要。アクセンチュアだけでは難しいため外部と連携していく必要がある」(同社デジタル コンサルティング本部アクセンチュア アプライド・インテリジェンス日本統括の保科学世氏)として、MUJINとの協業に踏み切った(図2)。

図2 アクセンチュアとMUJINの協業の概要
主にERPや倉庫管理などの情報系をアクセンチュアが、現場のロボットの知能化をMUJINが担う。(アクセンチュア・MUJINの資料を基に日経ものづくりが作成)
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 アクセンチュア 執行役員デジタル コンサルティング本部統括本部長の立花良範氏は、「AI Powered SCMは、最適化した計画に応じて工場や店舗、倉庫でロボットが人を支援し、サプライチェーン全体を最適化するのが狙い。その第1弾が倉庫物流となる」と語った。今後、これを拡充する形で工場などにも同様の自動化支援サービスを展開していくという。

 同社がこうしたAIとロボットを活用したサービスに注力するのは、「日本にはAIを育てる場があるから」(保科氏)という。論文数などで米国や中国に大きく後れを取っているとされる日本だが、「ビジネスで使えるAIは現場で育てていくのが重要。産業用ロボット分野では高い技術力を持つメーカーが多い。活用レベルも高く、ポテンシャルがある」(同氏)と分析している。

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