米PTCは、独・ハノーバーで開催された欧州最大の産業展示会「Hannover Messe 2019」(ハノーバーメッセ、2019年4月1~5日、独ハノーバー国際展示場)で、拡張現実(AR)に対応した動画作業マニュアル作成ツール「Vuforia Expert Capture」を披露した(図1)。作業者の技能伝承や新人の早期育成に効果を発揮するとしている。「ハノーバーメッセでの公開では、PTCのブースに人だかりができ非常に注目を浴びた」(PTC ジャパン製品技術事業部執行役員副社長の成田裕次氏)という。

図1 ハノーバーメッセでの「Vuforia Expert Capture」のデモの様子
中央の小規模なオートメーションのシステムを組み立てる様子をAR動画マニュアルに仕立てた。(写真:日経ものづくり)
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手ぶらで作業内容を撮影

 Vuforia Expert Captureは、動画や映像を使った工場やプラントのAR動画作業マニュアルを簡単に作成するためのツール。スマートグラスを熟練作業者に装着させ、作業内容をハンズフリーで作業者目線の映像として記録。それを基にAR動画マニュアルに仕立てる。

 ツールは作業内容の映像や画像を記録する「vuforia capture」、撮影した映像・画像の編集やドキュメントの追加などを行うための「同 editor」、作成したマニュアルをモバイル端末やHMD、スマートグラスなどで再生する「同 view」の3つの機能から成る(図2)。

図2 Vuforia Expert Captureの3つの機能
作業内容の映像や画像を記録する「vuforia capture」、撮影した映像・画像の編集やドキュメントの追加などを行う「同 editor」、作成したマニュアルをモバイル端末やHMD、スマートグラスなどで再生する「同 view」の3機能から成る。(出所:PTC ジャパン)
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 Vuforia Expert Captureは、PTCが2018年に買収したマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのスピンアウトベンチャーであるWaypoint Labsの技術を製品化したもの。米国では2019年5月末に出荷を開始する

* Vuforia Expert Captureの価格は、アーリーアダプター向けの場合、200ユーザーで15万米ドルから(製品版の価格は異なる見込み)。価格帯からみて大手メーカーでの導入を想定しているようだ。日本での発売時期や価格は未定。

音声コマンドで区切りを指示

 ハノーバーメッセの同社ブースでは、簡単なオートメーションのシステムを用意。ブース設営時に専門の技術者がこれを組み立てる際にスマートグラスを装着して、一連の工程を記録。さらにここからAR動画マニュアルに仕立てる様子をデモンストレーションした。

 作業動画を記録する際に、熟練作業者が作業の区切りで「Next Step」「次のステップ」といった音声コマンドを発するとシステムが自動的に動画を切り分ける。さらに作業途中で重要なポイントになる部分で「Take Photo」や「写真を撮影」といった音声コマンドを発すると静止画が撮れる(図3)。

図3 熟練者の視線動画を収録する
作業中の音声コマンドで動画の区切りなどを指示する。(写真:日経ものづくり)
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