日本政府は2019年8月2日、輸出管理上の優遇措置が受けられる「ホワイト国」(現在は「グループA」に名称変更)から韓国を除外する政令改正を閣議決定。8月28日からの施行を決めた。既にフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3物質について輸出手続きを厳格化していたが、今後はより多くの部材で輸出時に個別の許可が必要となる。

 前出の3物質が先行的に厳格化されていたのは、軍事利用が可能だからである*1。半導体の洗浄だけではなく、ウラン濃縮にも転用できるという。日韓の対立として、大きく報道された。

*1 2018年、韓国から北朝鮮へ、前出の3物質が送られているのではないかと疑いが生じた。それを受けて、2019年7月下旬には、世耕弘成経済産業大臣が韓国の輸出管理について不明確だと答えた。そこで今回のような措置になった。

調達先の変更には「怨念」が残る

 ところで、私は長く企業で調達・購買業務に従事していた。例えば、何の変哲も無いねじを変更しようとする。その理由は、価格が高いとか、納期に懸念があるとかだ。供給に不安が生じれば、変更を検討する。

 そんなとき、常に困難が伴った。一般の人は、「悪いのならさっさと変更すれば」と思うかもしれない。だが、調達先の変更はそう簡単なことではない。設計や調達、生産などに携わる方なら賛同してくれるだろう。

 代替品の性能が同等か、試験を重ねる。顧客の承認も必要だ。顧客は、何かトラブルがあると嫌なので、なかなか承認しようとしない。変更するメリットがなければ、積極的に代替品を承認する動機もない。「価格が劇的に安くなるなら、認めなくはない」と言われたこともある。しかし、性能が同等だったら、価格がさほど変わるはずもない。

 最終的には、「サプライヤーの変更は、次の機種からにしよう」という結論に落ち着く。きっと、どの企業でも、優れた代替品への変更ができないことで莫大なロスが生じている。変更できない状況にいら立つ様子も思い浮かぶ。

 そんな状況に置かれた調達担当者の気持ちは複雑だ。どんなに腹立たしくても、既存のサプライヤーから購入しなくてはならない。とはいえ、調達する側の企業も、決して無策ではない。短期的にはどうしようもなくても、中期的には反撃する。怨念に似た感情で、次の機会では必ずサプライヤーを変更しようとするだろう。もし次が無理でも、その次の機会をうかがう。怨念を1度でも抱けば、払拭するのは難しい。

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