世界最大規模のプラスチック・ゴム専門ショー「K2019」(2019年10月16~23日、ドイツ・デュッセルドルフ)の事前説明イベント(K2019プレビュー)が2019年7月1~3日にデュッセルドルフで開催された(図1*1。主要な団体や企業が業界動向のプレゼンテーションや出展予定内容の説明などを実施した(各社のK2019出展予定内容を紹介)。

図1 会場のメッセデュッセルドルフ
(写真:小松道男)
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*1 主催者であるドイツ メッセデュッセルドルフ(Messe Düsseldorf GmbH)は毎回、開催数カ月前に事前説明を目的としたプレス向けイベントを3日間にわたって開催している。

 Kは3年ごとの開催で、過去67年間続いており、集客規模(想定)は24万人と、プラスチックの展示会では名実共に世界の頂点に立つ。K2019は出展者3157社、展示面積17万6886m2(2971m2増加)という規模になり、前回を上回る*2。日本からの出展は32社で2社増加、中国(香港含む)からの出展は340社で61社減となっており、中国経済の減速傾向が出展状況に垣間見られる。

*2 数値上で単純に比較すると、日本国内における最大規模のトレードショーの1つ「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」の展示面積は約4万9500m2(2020年予定)であり、K2019はその3倍以上に相当する。

「サーキュラーエコノミー」推進する欧州

 欧州プラスチック産業界の問題意識は、完全にサーキュラーエコノミー(循環型経済)とサステナブルデベロップメント(持続的な開発)へ向いている。K2019プレビューの冒頭に開催されるラウンドテーブルトークは、欧州プラスチック産業界のリーダーたちが壇上に並び、ビジョンや産業界を取り巻く情勢について述べるとともに、会場の記者たちと意見を交換する機会である。今回はK2019出展者委員会委員長を務めるウルリッヒ・ライヒェンホイザー氏(VDMAドイツプラスチック・ゴム機械協会会長)らが登壇した。

 ライヒェンホイザー氏は、欧州プラスチック産業界としては環境問題解決へ積極的に取り組んでいかねばならないと表明した。同時に、軽量化技術、新素材開発、システム化技術、インダストリー4.0の適用、若年世代の育成などを通じ、プラスチック産業はイノベーションによる成長が可能であるとの見解も示した。

 K2019プレビューの直前、2019年6月28~29日に開催されたG20大阪サミットの首脳宣言では、海洋プラスチックごみ対策に関する合意形成がなされ、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」として2050年までに海洋プラスチックごみをゼロにする目標を世界が共有した*3。筆者はこれを踏まえ、ラウンドテーブルにおいて「大阪ブルー・オーシャン・ビジョンに関してどう考えるか」を質問した。

*3 大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現に向けた具体的取り組みとして、政府は「(1)廃棄物管理(Management of Wastes)、(2)海洋ごみの回収(Recovery)、(3)イノベーション(Innovation)、及び(4)能力強化(Empowerment)に焦点を当てた、世界全体の実効的な海洋プラスチックごみ対策を後押しすべく、『マリーン・イニシアティブ』を立ち上げる。同イニシアティブの下で、(中略)具体的な施策を通じ、廃棄物管理、海洋ごみの回収及びイノベーションを推進するための、途上国における能力強化を支援していく」(外務省Webサイト)としている。

 欧州プラスチックス製品工業協会(Plastics Europe)ゼネラルマネージャーのリュディガー・バウネマン氏は、マイクロプラスチックによる海洋汚染に関しサーキュラーエコノミーの実現を目指す重要性を認識し、リサイクル技術の向上・薄肉化などによる減容化推進・生分解性プラスチックの適用を図り、廃棄物管理をきちんと回すべきとの考えを述べた。さらに、プラスチック産業界のみならず政治家や消費者を巻き込んだ解決策の模索を実行すべきであると言及した。

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