2018年10月、協働ロボットメーカーのパイオニアの1社として知られる米リシンク・ロボティクス〔Rethink Robotics(以下、米RR社)〕が事業撤退を発表し、ロボット業界に衝撃が走った。同社は米iRobot社を立ち上げたRodney Brooks氏が、人材不足対策に挑戦するために創立したベンチャー企業だった。同社の撤退発表後、その資産をすぐさま買い取った企業が現れた。ドイツのハン(Hahn)グループである。日経ものづくりはHahnグループManaging Directorで、ドイツRR社CEOであるPhilipp Unterhalt氏(図1)に接触、米RR社の資産を買い取った理由、ドイツの協働ロボット市場などについて聞いた。

図1 HahnグループManaging Directorで、ドイツRR社CEOであるPhilipp Unterhalt氏
右はドイツRR社の協働ロボット「Sawyer」。 (出所:住友重機械工業)
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 協働ロボットメーカーのパイオニアの1社として知られる米リシンク・ロボティクス〔Rethink Robotics(以下、米RR社)〕は米iRobot社を立ち上げたRodney Brooks氏が、人材不足対策に挑戦するために創立したベンチャー企業だった。そのRR社が2018年10月に事業撤退を発表。ロボット業界に衝撃が走った。

 RR社は2008年から協働ロボット「Sawyer」などを開発しており、工場やカフェなどの現場で採用されている。7軸で可搬質量が4kgの単腕型ロボットである。ダイレクトティーチング機能*1を備えている他、上部に液晶ディスプレーを搭載しており、人間のように表情が変わる顔を表示させて親近感を高めている。

*1 ダイレクトティーチング機能 ロボットのアームを直接手で動かし、動作の軌跡を教示する方法のこと。

図2 ドイツRR社とHahnグループなどの資本関係
ドイツRethink Roboticsは、Hahnグループのロボット事業部門の1社。この他に同事業部門には、産業用ロボットを使ったシステムインテグレーションなどを手掛けるドイツHahn Robotics、ロボットのレンタル・リース会社である同Hahn Robshareがある。Hahnグループにはロボット事業以外に、生産ラインの設備開発や構築を手掛けるアセンブリ&テスト事業、射出成形機関連の搬送システムを手掛けるハンドリング事業、プロセス技術がある。ドイツRag Stiftung財団が製造業関連投資会社のRag Stiftung Beteiligungsgesellschaft(RSB社)の、RSB社がHahnグループの全株式を保有している。
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 撤退した米RR社の資産を買い取ったのは、ドイツのハン(Hahn)グループである(図2)。同グループは2018年11月の資産買い取り後、新しくドイツRethink Robotics(以下、ドイツRR社)を立ち上げた。既にロボット部門の一事業として活動を始めている。今回は来日したHahnグループManaging Directorで、ドイツRR社CEOであるPhilipp Unterhalt氏に米RR社の資産を買い取った理由、ドイツの協働ロボット市場などについて聞いた。

まず米RR社の資産を買い取った理由を教えてください。

Philipp氏:単純な理由になりますが、協働ロボットの市場が拡大していくと考えているからです。HahnグループはドイツRR社以外にも産業機器部門を抱えています。例えばロボット部門の中には、製造ライン向けにロボットを使ったシステムインテグレーションを手掛けるハン・ロボティクス(Hahn Robotics)やロボットのリース/レンタルを担うハン・ロボシェア(Hahn Robshare)があります。その経験を通して協働ロボットの必要性を実感してきました。

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