ロボット産業が大きく変わろうとしている。一握りの企業がバリューチェーン全体を支配する垂直統合型から、多様な企業が自由に参入する水平分業型への転換だ。ロボット開発のハードルを下げる技術が登場したことで、難度が高かったロボットアームでも新規参入が相次いでいる。

 これまで一部の企業しか作れなかったロボットを、誰でも作れるようになるー。そんな世界が到来しようとしている。ロボット開発を支援する技術が次々と登場し、比較的自由に市場で調達できるようになっているからだ。

 そのような技術は、ロボット産業を根本的に変える可能性を秘めている。中核的な技術や部品を囲い込んだ企業だけがロボットを作れる垂直統合型から、さまざまな企業が市場で調達可能な技術や部品を組み合わせてロボットを作れる水平分業型への転換である。家電やコンピューターなど多くの産業で起きたことが、ロボットでも始まろうとしている。

 実際、人に近い動作が可能な垂直多関節ロボット、いわゆるロボットアームで異業種からの参入が相次いでいる(図1)。工作機械メーカーのオークマは、同社のNC(Numerical Control、数値制御)旋盤の加工室内に取り付けられるロボットアーム「ARMROID(アームロイド)」を開発した(図2)。2019年6月ごろに出荷を開始する予定だ。複合機メーカーのリコーは、工場や物流施設などの手作業を代替できるロボットアームの開発を進めており、2019年度中(2020年3月まで)の製品化を目指す(図3)。

図1 新規参入が相次ぐロボット産業
従来は中核的な技術や部品を押さえている企業しかロボットを作れなかったが、ロボット開発を支援する技術が市場で調達しやすくなったことで、新規参入のハードルが下がった。今後は、多品種少量生産や物流など需要拡大が見込める分野に向けて、異業種から新規参入したり、既存のロボットメーカーが製品ラインアップを拡充したりする動きが加速する。(オークマのロボットの図は同社提供)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 工作機械に後付けできるロボットアームを販売
オークマは、同社のNC旋盤「LB3000 EX II」の加工室内に取り付けられるロボットアーム「ARMROID」を開発した。(出所:オークマ)
[画像のクリックで拡大表示]
図3 手作業を代替するロボットアームを開発
リコーは、工場や物流施設などの手作業を代替するロボットアームの開発を進めている。
[画像のクリックで拡大表示]

 ロボットアームは、産業用ロボットの中で最も開発が難しいといわれる。異業種から参入するオークマやリコーは、外部の技術を活用することでその壁を乗り越えた。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経エレクトロニクス」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら