5Gのインパクトについて、自動車メーカーやスマホ部品メーカーの見方を紹介する。

5G時代もAIはサーバーではなく車両に

写真B-1
BMWのJoachim Göthel氏
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 自動車では、ドイツBMWで5G利用のシステム開発を担当する Joachim Göthel氏(Electronics & Senior Manager Project 5G Alliance)に聞いた(写真B-1)。「5Gの1msという低遅延は自動車に新規機能をもたらし得る」とみる。

 例えば前方に大型車両が走行中に前方車両の前の映像を見せる機能がある。前方車両が透明になったかのような映像をリアルタイムで表示するには、前方車両が取り込んだ映像を低遅延の無線通信網経由で送る必要がある。遅延時間については、車両制御のためには10msで間に合うという。それなら自動車に制御用AI(人工知能)を搭載せず、サーバーに設置したAIから自動運転させることも可能に思える。この見方に同氏は「実現のハードルは極めて高い」と否定する。通信網のカバー範囲や接続信頼性から、人命に関わる制御をネットワークに依存することは5G時代でもできないためである。当面は自動車本体にAIなどの処理を搭載する必要があるというのが同氏の見方だ。

メモリーはよりコストを重視

写真B-2
MicronのSanjay Mehrotra氏
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 5Gによる高速化で大量に届くデータを蓄えるメモリーについて米Micron Technology社長兼CEOのSanjay Mehrotra氏に聞いた(写真B-2)。

 5Gによるデータ伝送の高速化で、スマホ1台当たりのメモリー容量は「(当初から)1TBのストレージ、12GバイトのDRAMと、ノートパソコン並みになる。完全自動運転車1台にはTバイト級ストレージと70GバイトのDRAMが必要になる」(同氏)。読み出しと書き込みには、高速さが求められ、ストレージ用のNANDフラッシュなら、低速の多値品よりも高速の2値品が見直される可能性がある。同社は「多値品を使い、コントローラーの並列処理などで対処する」(同氏)。コスト要求は強く、ビット単価を下げられる多値品は欠かせないためだ。コストを意識し、10nm台の世代の露光に、高コストのEUV(Extreme Ultra-Violet)は使わない。低コストのマルチパターニングで延命する。設備投資戦略でも、4~5年で2倍になる見込みのビット容量には、ウエハー処理枚数を増やす投資はせず、3次元化で対応する。

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