華為技術(ファーウェイ)の製品が使われているのは、もはや通信業界だけではない。自動車や制御機器といった産業界全体に広く浸透している。同社は、自社技術の積極的な標準化、パートナー企業を巻き込んだ研究開発、トヨタ自動車から学んだ生産技術などさまざまな取り組みによって、現在の地位を確立した。

 現行のLTE(Long Term Evolution)で台頭した中国の華為技術(Huawei Technologies、以下ファーウェイ)は、5G(第5世代移動通信システム)やLTEベースのIoT(Internet of Things)向け通信規格「NB-IoT」を通じて、事業領域を通信業界のみならず産業界全体に拡大しつつある(表1)。

表1 産業界でも地位を確立
ファーウェイが2017年以降に発表した産業界での協業について主なものをまとめた。多様な分野に浸透していることが分かる。
発表時期協業先協業内容
2017年2月米Oracle(オラクル)電力分野でのIoT活用
ドイツDHL Supply Chain(DHLサプライチェーン)物流分野でのIoT活用
2017年3月米Honeywell(ハネウェル)スマートビルディング
2017年4月米GE Digital(GEデジタル)予防保全ソリューション
2017年6月ドイツKUKA(クーカ)スマート工場
2017年10月愛知時計電機スマート水道メーター
2017年11月フランスGroupe PSA(グループPSA)コネクテッドカー
東芝デジタルソリューションズスマート工場
2018年4月ドイツBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)工場での5G活用
2018年7月ドイツAudi(アウディ)コネクテッドカー
2018年10月Audiレベル4自動運転
ドイツBosch(ボッシュ)IoTプラットフォーム連携

 例えば、水道メーターやガスメーターで国内最大手の愛知時計電機は、NB-IoTを活用したスマート水道メーターの技術検証をファーウェイと共同で実施している(図1)。ファーウェイのNB-IoTサービス開発ツール「SoftRadio」やIoTプラットフォーム「OceanConnect」を使い、水道メーターの自動検針システムを構築。2018年12月には、京都市上下水道局の管内でスマート水道メーターの試験導入と電波状況確認試験を開始した。

図1 水道メーターをスマート化
愛知時計電機の水道メーターにNB-IoT通信モジュールなどから成る発信器を付けた。ファーウェイの開発ツールやIoTプラットフォームを採用している。(図:愛知時計電機)
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 NB-IoTは、LPWA(Low Power Wide Area)に分類されるIoT向け通信規格の1つ。フィンランドNokia(ノキア)など他の通信機器メーカーもNB-IoTを手掛けているが、「NB-IoTではファーウェイの技術力が抜きん出ている」(愛知時計電機)。スマート水道メーターの早期実用化に向けて、ファーウェイは不可欠なパートナーという位置付けだ。

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