次世代2次電池の開発は、最近は海外メーカーの動きが目立つ。全固体電池の量産に中国メーカーが名乗りを上げ、負極でSi系活物質の割合を80~100重量%に高めたと主張する例も出てきた。一方で、次世代正極の利用は電解液の分解という壁にぶつかっている。今後の大きな発展には、液体、固体を問わず次世代電解質の開発がカギを握っている。

 エネルギー密度が高い次世代2次電池へのニーズは高まる一方だ。第1部で紹介したように、全固体電池の量産が民生品向けで始まりつつあるが、それ以外でもさまざまな要素技術の開発が同時並行的に加速している(図1)。

図1 Si系負極の課題解消が進み、電解液の革新待ちに
2次電池の技術開発における最近のトレンドをまとめた。全固体電池は小容量の民生品向けでは出荷が始まりつつあるが、大容量のEV向けなどは試作品はできても、量産技術に課題がある。負極ではSi系材料が台頭し、従来のカーボン系材料と置き換わりつつある。多くはまだSiの重量比が50%以下だが、同80~100%といった技術も登場してきた。ただし、セルの性能を大きく引き上げるには負極だけでは力不足。高電位と高容量密度の正極材料は幾つか開発されているが、既存の電解液(主成分はLiPF6)が高電位電極で分解してしまうため使えない。電解液に大きな技術革新が求められている。エリーパワーがイオン液体の実用化にメドをつけるなど、その兆しは見えつつある。
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 中でも目立つのが、大きく2つの動きだ。(1)電気自動車(EV)向けの全固体電池を実用化し量産しようという動き、(2)負極に次世代材料を使う動きである(図2)。

図2 海外メーカーが続々、次世代2次電池を量産へ
全固体、準固体電池およびSi系負極の両方で海外メーカーによる実用化、量産化の動きが目立っている。ついに全固体電池でも中国メーカーが量産に名乗りを上げ、Si 100%の負極で高いエネルギー密度と一定の耐久性を実現する例も出てきた。(写真:各社)
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 (1)のEV向け全固体電池については、海外、特に米国で特定のベンチャー企業に日本を含む世界中の企業から数十億円から100億円超の資金が集まり始めた。最近はこの動きについに中国企業も参戦。具体的には、電池向けセパレーターの製造を主力事業とする中国Qing Tao Energy Development(清陶能源)が2018年末に年産0.1GWh規模の全固体電池の製造ラインを構築し、2020年には年産0.7GWh規模で量産すると発表した。量産する電池の重量エネルギー密度は当初は300Wh/kg。ただ、実験室では400Wh/kgを実現しており、量産でも徐々にこれに近づけていくとする。

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