前回は遠赤外線イメージセンサー(以下、赤外線イメージセンサー)の動作原理などを解説した。今回は、性能を決める要因を解説する。特に重要なのは、温度検知部(温度センサー)の断熱性だ。感度などの性能を高めるためには、受けた熱を逃がさない技術が求められる。断熱性は、MEMS(微小電子機械システム)技術の導入で桁違いに向上した。 (本誌)

性能を決める3つの指標、吸収率、断熱性、感度

 赤外線カメラの性能には、感度やノイズ、精度がある。感度は、測定対象の温度が1℃変化した際の出力が大きければ高い。精度は、対象物の温度をセンサーが正しく変換できればできるほど優れている。赤外線イメージセンサーの設計が赤外線カメラの性能に影響を与える。

 これらの性能を左右する指標のうち、赤外線イメージセンサーの画素に求められる主な仕様は3つある(図1)。(1)赤外線を温度センサーが吸収する比率である「吸収率」、(2)吸収した熱を逃さないようにする断熱部の「断熱性」(熱抵抗あるいはその逆数の熱コンダクタンス)、(3)わずかな温度変化を大きな電気信号に変換できるかどうかを示す「温度センサー感度」である。それぞれ独立しており、これらの積が性能決定要因の1つとなる。このうち今回は断熱性と吸収率を取り上げる。

図1 性能を決める温度検知部の「断熱性」「吸収率」「感度」
赤外線イメージセンサーを構成する検知部の性能を決める要因は3つある。赤外線を吸収して熱に変える比率を示す「吸収率」、支持基板へ熱が逃げないようにする「断熱性」、検知部の温度変化を大きな信号としてとらえる温度センサーの「感度」である。
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