去る10月3日の夕刻。オフィスにいた日経 xTECHや日経エレクトロニクスの記者たちは食い入るようにパソコンの画面を見つめていました。視線の先にはYouTubeの「Nobel Prize」チャンネル。ノーベル化学賞の発表を今や遅しと待ち構えていたのです。私もその一人でした。

 結果が発表された瞬間、編集部のあちこちからため息が漏れました。そのままNobel Prizeを見続けていると、チャンネルの視聴者数がどんどんと減っていき、解説に入るころには半減していました。同日午後7時過ぎに日本経済新聞は「ノーベル化学賞、米英の3氏に たんぱく質改良手法で」と電子版で報じました。

 本誌がノーベル賞の結果に一喜一憂するのは、今年に限った話ではありません。エレクトロニクスに関連の深い技術者の方が受賞した場合は、誌面で取り上げているからです。例えば、名古屋大学大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 教授の天野 浩氏や、米University of California Santa Barbara校(UCSB) 教授の中村 修二氏(所属と肩書きは受賞時)は、インタビュー記事を掲載しました。両氏ともノーベル物理学賞の栄冠に輝いたわけですが、ここ数年はノーベル化学賞の行方にも注目しています。Liイオン2次電池(LIB)とその開発関係者が受賞するのではないかと言われ続けているからです(LIBの開発で重要な役割を果たした研究者については下載のQRコードやURLから解説記事をご覧ください)。

 LIBの産業へ貢献度と将来性は、これまで本誌が紹介してきたように、スマートフォン、EV(電気自動車)、IoT(Internet of Things)、空飛ぶクルマ(電動航空機)など枚挙にいとまがありません。革新的な次世代電池の開発にはビッグネームが乗り出しています。トヨタ自動車の全固体電池やソフトバンクのLi空気電池などです。

 このたび、こうした革新的な電池の最新動向や詳細技術をまとめた書籍「次世代電池2019」を発行しました。直近1年の注目技術、キープレーヤー、業界構造、応用事例をまとめて把握できます。

出典:日経エレクトロニクス、2018年11月号 p.9
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