米国調査会社のガートナー(Gartner)が毎年発表する「先進テクノロジのハイプ・サイクル」(Hype Cycle for Emerging Technologies)に注目しています。この8月20日に最新の2018年版が公開されました。35の先進技術がマッピングされています。その中で最近の日経エレクトロニクスが取り上げているキーワードがどのポジションにいてどう推移しているのか。2017年版とも比較しながら、読み解いていきたいと思います。

 まずはこのところ、毎号のように記事を掲載している「AI」(人工知能)関連を探してみました。すると、「ディープ・ニューラル・ネット(ディープ・ラーニング)」が、2018年版ハイプ・サイクルの「『過度な期待』のピーク期」のまさしく頂点に達していました。同社リサーチ バイス プレジデントのマイク・ウォーカー (Mike Walker)氏は、「今後2~5年間で主流の採用に達すると考えられる」とコメントしています。今号の特集(AIで材料開発)や前号の解説(説明できるAI)では、AIの用途が拡大していることを事例ベースで紹介しています。まさに研究の段階から「使う段階に来た」と言えそうです。

 今号の解説(5Gが呼び込む映像革命)に出てくる「5G」(第5世代移動通信システム)はどうでしょう。2018年版ではちょうど「黎明期」から「過度な期待」のピーク期にさしかかろうとしていました。2017年版と比べると、駆け足で進んでいる印象です。この5Gも今後2~5年間で生産性の安定期に達するとGartnerは見ています。2019年から世界の各地で商用サービスが始まる5Gは「ものづくりの段階に入った」というところでしょうか。

 そして、2018年版の黎明期に初登場した「空飛ぶ自律走行車」は、本誌にとって最大の注目株です。主流の採用までに要する年数は10年以上とされていますが、前号のHot News(空飛ぶクルマ)にまとめたように、米国の新興企業が着々と準備を進めているさまを見ると、もっと早いのではと感じています。今号のHot Newsではにわかに活気づいてきた日本の空飛ぶクルマの最新動向を取り上げました。

出典:日経エレクトロニクス、2018年10月号 p.9
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