ネットワーク関連のイベントで、伝統と格式のあるイベントの1つに「Interop」(インターロップ)があります。発祥は米国で、日本でも1993年から「Interop Tokyo」(1994年~2005年はNetWorld+Interop Tokyo)として毎年開催されています。今年が25周年に当たる「Interop Tokyo 2018」は6月13~15日にかけて、幕張メッセで開かれました。来場者数や小間数が昨年実績を上回るなど、注目度の高さは相変わらずです。

 ご縁がありまして、同イベントのBest of Show Award審査員を5年にわたって務めています。不肖の身ながら、お引き受けしているのは、最先端のネットワーク機器にいち早く触れることができるまたとないチャンスだからです。今年もアカデミアの先生方とチームを組ませてもらい、候補となった機器やサービスの展示があるブースを回りました。

 評価のポイントでInteropのAwardならではの特徴を1つご紹介しましょう。「動いていること」です。いわゆる動態展示ができるかどうかを最重視します。実は審査では、本番に備えて設営中のブースにお邪魔することがほとんどですが、あえて「動かして見せてください」とお願いしています。

 これを繰り返していると、昔、米国の(Interopではない)ネットワーク関連の展示会で体験した、ある出来事の記憶がよみがえってくるのです。それは当時で業界最多のポート(ネットワークケーブルの接続口)数を誇るルーターが置いてあるブースでのことでした。ネットワークケーブルが挿してあるポート上のランプはすべて点灯中であり、疎通していることを示していました。「動態展示できているならすごい。記事にしよう」と考えていると、エンジニア風の人がつかつかとルーターに歩み寄り、無造作にネットワークケーブルを引っこ抜いてしまいました。あっけにとられていると、そのポートの上のランプを指さし、にっこりとほほ笑みかけてくるではありませんか。何と、本来なら消えるはずのランプがついたまま。つまりこのランプはダミーであり、ポートが疎通しているかどうかの証にはならないわけです。気持ちが一気に冷めてしまいました。

 見た目で判断せず、きちんと確認する。InteropのAward審査ではこの経験を反面教師として「動かして見せてください」とお願いしています。

Interop Tokyo 2018で動態展示された発表の例:
1億円のルーターを200万円のPCで実現、NTTコム製ソフト『Kamuee』の正体
出典:日経エレクトロニクス、2018年8月号 p.9
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