IBM ResearchはRISC-Vべースのマイクロコントローラーを試作した。小型かつ低消費電力が不可欠なエッジコンピューティングでの利用を想定する。RISC-Vアーキテクチャーのシンプルな構造を生かし、0.076mm2のチップ面積で約0.2mWの消費電力のプロセッサーが実現できることを確認した。本論文では2回に分けて、試作プロセッサー開発時の試行錯誤や取捨選択、評価について解説する。試作に要した期間は1年弱である。オープンソースの実装を活用することで、さまざまなアプリケーションに合致したプロセッサーを迅速に開発できることを確かめた。 (本誌)

 IBM Researchでは次世代エッジコンピューティングを実現するために必要となる要素技術の基礎研究を行っている。具体的には、現在のRFID(Radio Frequency IDentifier)チップ相当の面積にプロセッサーコアやメモリー、通信機能、電力供給機能などを集積したデバイスの開発である(図1)。多様なアプリケーションに対応するために、利用者が自由にプログラミングして新しい機能を組み込める汎用性も欠かせない。

図1 半導体技術の変遷と各用途向けプロセッサーのチップ面積およびトランジスタ数の関係
上のグラフは半導体技術の変遷(左が最新)と各種プロセッサーのチップ面積の関係を示す。半導体技術が微細化しても、用途で見るとチップ面積は変わらない。下のグラフは、1つのプロセッサーチップに搭載されるトランジスタ数と半導体技術の関係である。微細化に伴い、トランジスタ数(集積するメモリーやプロセッサーのコア数)が増加している。我々の開発ターゲットは、RFIDチップの面積で、現在の組み込みSoC並みの機能を備えるプロセッサーの実現である。
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 こうした状況の下、オープンアーキテクチャー「RISC-V(リスクファイブと発音)」べースのマイクロコントローラーを開発した(RISC-Vについては別掲の「RISC-Vの歴史と概要」を参照)。

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