レベル3対応の自動運転車の存在意義に、疑問を呈する声を聞くようになった。レベル3対応とは、米国の自動車工業会(SAE)が自動運転技術を6段階にレベル分けしたものの1つで、「限定条件の下でシステムがすべての運転作業を行うが、緊急事態が発生した際などにはシステムの要請によってドライバーが操作を引き継ぐ」ことを想定している。

 この定義をそのまま受け取れば、通常はシステムが運転し、最も危険な非常事態になったらドライバーに運転責任を丸投げするようにみえる。レベル3自動運転車は本当に実用化するのか。今回のテクノ大喜利では、その存在意義と実現に向けた課題、解決策などを議論した(表1)。

表1 「改めて問う、レベル3自動運転の意義」をテーマにしたテクノ大喜利の回答
三ツ谷翔太氏 服部 毅氏 田口眞男氏 大山 聡氏 山本和一氏
アーサー・ディ・リトル・ジャパン 服部コンサルティング インターナショナル 慶應義塾大学 Grossberg ローランド・ベルガー
回答総括 自動運転レベル3は単なるプロダクトアウト的目標、社会的な意義には乏しい レベル3対応車は明らかに危険、市場投入見送りを決断したボルボは賢明 レベル3は通過儀礼として必要、システム評価や社会の仕組みの整備に欠かせない レベル3対応車を商品化するか否かは、極めて戦略性の高い判断になる 自動運転車の普及は、運転責任の所在の明確化が大前提
【質問1】レベル3自動運転を市場投入することに、社会的なもしくはビジネス上の、技術開発上の意義を感じますか? プロダクトアウト的な目標であり、社会的な意義には乏しい 感じない 自動運転の本命であるレベル4以降への露払い役としての意義がある 意義は十分にあると思う 市場やユーザーにとっての価値は必ずしも自動運転レベルとは一致していない。レベル3はマストではない
【質問2】仮にレベル3自動運転の市場投入を見送った場合、自動車メーカーに生じる問題または得られる効果は何だと思われますか? レベル3をスキップしたとしてもその影響は限定的 自動運転による交通事故の発生防止、本格的自動運転技術開発の促進 レベル4システムの評価に莫大なコストがかかってしまう 市場・顧客から見て、レベル3製品を商品化した自動車メーカーと見送ったメーカーの信頼感が変わる可能性がある 普通の人が理解できるユーザー目線での自動運転の進化を描き示すことが課題
【質問3】仮にレベル3自動運転が普及しなかった場合、部品やソフトウエアを提供するメーカーに何らかの影響が及ぶと思われますか? レベル3向けの開発アイテムは自動運転以外への横展開性もある レベル3ではなくレベル2+として市場投入すれば影響は少ない レベル4への技術継承性を考えているだろうからハシゴを外されるようなことはないが、投資回収は経営的に問題 影響はゼロではないが、限定的と思われる レベル3普及の有無は大きな影響は及ぼさず、クルマが生み出す価値のために、どのように貢献できるのか示すことが重要

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