SiC(炭化ケイ素)をベースにしたパワー半導体への期待が急激に高まっている。SiCパワー半導体は、日本メーカーが高い競争力を維持している数少ない分野である。主なところだけでも、三菱電機、富士電機、ローム、ルネサス エレクトロニクス、東芝、サンケン電気などが挙げられる。しかもSiCパワー半導体の開発とその活用には、材料技術や応用技術などとデバイス技術の高度な擦り合わせが求められ、日本企業に向いた分野だと言える。

 ただし、市場が拡大し、技術が成熟してくれば、かつてのDRAMや液晶パネルと同様に、後進企業による資本勝負の時代が訪れる可能性も大いにある。そこで今回のテクノ大喜利では、SiCパワー半導体での日本企業の勝ちパターン、シナリオについて議論した(表1)。

表1 「奇貨SiC、日本に居くべし」をテーマにしたテクノ大喜利の回答
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トップグループにはいるが…

 野村證券の和田木哲哉氏は、「SiCデバイス市場の成長はほぼ約束されている。ここは絶対に取りこぼしてはいけない。ただ、このままでは、またもおいしい市場を他国にさらわれることになる」という。

 Grossbergの大山 聡氏は肝心の日本企業の煮え切らなさをこう嘆く。「投資計画などを見る限り、SiC関連事業でドイツInfineon Technologiesを追随する積極的な姿勢が見られない」。リスクを取って、市場成長の機をつかむ積極的な意志が見えにくいのだ。

 東海東京調査センターの石野雅彦氏の見方はさらに厳しい。「2018年11月に、デンソーがInfineonの株を200万株購入した。日本の自動車業界が海外メーカーに頼りたくなるのも分かる。Infineonは2019年度の設備投資額として15億米ユーロを予定している一方、三菱電機の電子デバイス事業(パワー半導体が中心)の設備投資額は10分の1にすぎない」とした。

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