Xiaomiは単なる新興スマホブランド企業では決してない。民生機器の新しいビジネスモデルを構築しつつある企業である。爆発的に売上高を伸ばした同社の商品ラインアップは、家電はもちろんタオルなどの生活雑貨に広がっており、しかもそれらの商品販売以外で利益を増やしつつある。Xiaomiの急成長の要因や投資方針に迫った。

 中国Xiaomi Group(小米、以下Xiaomi)はもはや世界を代表する家電メーカーの1つとなった。2010年に設立されたにもかかわらず、2017年の連結売上高は1兆9486億円、営業利益は2077億円(1人民元=17円換算、図1)に達した。2018年上半期の売上高は会計監査を受けていない仮のものながら、前年同期比で実に75%増の1兆3540億円、同営業利益はマイナス719億円である注1)

(a)会社概要
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(b)主な出来事
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図1 時価総額4.6兆円企業の横顔
Xiaomi(小米)の成長力は極めて高い。ただし営業キャッシュフローはマイナスだった(a)。大株主の持株比率は2018年7月のIPO前のもの。雷軍氏は自身と家族が設立した会社名義で株式を所有している。Morningsideは著名ベンチャー投資会社。財務数値は2017年のもの。
注1)損益計算書より相対的に粉飾しにくい営業キャッシュフローを見ると、2007年はマイナス169億円だった。2018年上半期の未監査決算で同キャッシュフローは1041億円と大幅に改善した。

 Xiaomiにこうした業績をもたらした顧客の数は非常に多い。同社がAndroidをベースに改変したOS「MIUI」、その月間アクティブユーザー数は2018年6月、2.1億人に達した。Xiaomiのユーザーは若く、インターネットを使いこなす人が多いことも特徴である。MIUIのOSの公式掲示板における月間アクティブユーザー数は2018年3月に900万人に達した。

 Xiaomiの時価総額は2018年10月8日時点で4.6兆円と、キヤノンに迫る水準だ(1香港ドル=15円換算)。Xiaomiはキヤノンのような伝統的な企業と異なるいわゆるブランド企業で、製造部門を持っていない。そのため連結従業員数は2018年3月末で1万4513人と多くない(キヤノンは約20万人)。Xiaomiでは全従業員数の38%、5515人が研究開発を担当している(2018年3月末時点)。営業に相当する販売・サービス部および国際業務部所属は同46%、6666人である。

 本記事では、あっという間に巨大企業となったXiaomiの発展要因を指摘する。この中には通常の家電メーカーではあり得ない極端な低利益率の小売価格設定や、それを支える創業支援を含めた投資事業といったビジネスモデルが含まれている。

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