SiCパワー半導体業界に、産業界と学界の技術者が混じり合い、多様な進化を遂げる姿が見えてきた。市場ではSiパワー半導体との競争にさらされているSiCだが、SiCでCMOS半導体を実現する技術や、桁違いの低コスト化をもたらすウエハー製造技術など技術は確実に進んでいる。SiC材料に関する国際会議で、参加者の注目を集めた動きを報告する。

 次世代パワー半導体素子に使われるSiC(炭化ケイ素)に関する国際学会「ICSCRM 2019(International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2019)が、2019年9月29日から10月4日にかけて、京都市で開催された(図1)。前回の2倍近い1200人以上が参加し、注目度の高さを感じさせた。パワー半導体以外に、SiCを量子コンピューターやセンサーに応用する研究発表のセッションも立ち上がり、多様な研究者が集まるようになっている。

図1 大学と企業がパワー半導体の研究開発の両輪に
「ICSCRM 2019」は、大学と産業界が課題解決に向けた研究成果を提案し合う場となった。左の図のように、大学や研究機関は、次世代を見据えた新機軸の提案を打ち出し、企業はコストや性能を改善する技術を発表した。今回、京都市での開催となり、京都大学教授の木本恒暢氏が議長を務めた(a、b)。地元のロームが存在感を示した他、30社ほどのスポンサー企業が集まった(c、d)。(図、写真:日経エレクトロニクス)
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 会場で目立ったのは、大学や研究機関など学界からの研究者に加え、産業界からの技術者である。製造装置やSiCウエハーの開発者、デバイスメーカーに加えて、ユーザーなど周辺の関係者にまで関心が広がってきたようだ。「SiCパワー半導体が普及し始めたことで、ユーザー企業の技術者が増えたと感じる」(大手デバイスメーカーの事業責任者)。

 スポンサー企業は30社ほどに達した(図1(c))。事務局の関係者は「前回まではスポンサーや展示会スペースの出展者を集めるのに苦労したと聞いているが、今回は早々に申し込みを打ち切らざるを得なかった」と明かす。

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