物流大手のヤマトホールディングス(YHD)と大手ヘリコプターメーカーの米Bell Textronは、2025年までの実用化を目標に共同で開発中の「空飛ぶトラック」の進捗状況を明らかにした。Bellが開発したドローンに、YHDが開発した新型輸送容器を搭載する。2019年8月、Bell本社がある米国フォートワースの郊外の試験場で、その試験機による飛行デモを披露した。会場には、YHD 代表取締役社長の長尾裕氏とBell CEOのMitch Snyder氏が訪れ、両社の期待の高さがうかがえた。

 利用した機体は、自律飛行が可能な電動の垂直離着陸(eVTOL)機「APT(Autonomous Pod Transport)」の試験機。APTは機体の尾部を下にして着陸する「テイルシッター」型。垂直離陸後、機体全体の姿勢を転換、水平に飛行する。水平飛行時には固定翼で高効率に飛ぶ。

 Bellは、10kg前後の小さな荷物を運ぶ機体から、100kg超の荷物を運べるような大型の機体まで、複数のAPTを開発中。試作を終えたのは、可搬質量が20ポンド(約9.1kg)の機体と70ポンド(約31.8kg)の機体である。20ポンドの機体は既に飛行試験済みで、今回、可搬質量70ポンドの機体「APT70」の試験機で実演した(図1)。常時15ノット(秒速7.7mほど)、瞬間で19ノット(秒速9.8mほど)の風が吹く中、離陸から着陸まで4分前後の自律飛行を成功させた(図2)。

図1 「空飛ぶトラック」を開発
ヤマトホールディングス(YHD)と米Bell Textronは共同で、可搬質量(ペイロード)が70ポンド(約31.8kg)の物流用無人機「APT70」を開発した。自律飛行が可能な電動の垂直離着陸(eVTOL)機である。従来のドローンとは異なる形状や飛行形態、輸送容器などを実現したことから「空飛ぶトラック」と呼ぶ。機体をBellが、輸送容器「PUPA」をYHDが開発した。(写真:日経 xTECH)
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図2 約4分間の自律飛行に成功
2019年8月の飛行デモでは、常時15ノット(秒速7.7mほど)、瞬間で19ノット(秒速9.8mほど)の風が吹く中で、離陸から着陸まで、およそ4分間の自律飛行を成功させた。垂直に離陸後、約50mまで上昇した後、周囲を旋回してから元の離陸場所に着陸した。Bellによれば最大で風速30マイル/時(秒速13.3mほど)の中を飛行できるという。(写真:日経 xTECH)
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