色素増感型太陽電池なら開発から苦節20年以上といった各種のエネルギーハーベスティング(EH)技術の実用化がようやく始まった。従来の課題を解決した上に、用途側からのニーズにも合致したからだ。熱電発電では、温度差5Kで発電する素子、さらには温度差0Kで発電する素子も登場してきた。“EH 2.0”ともいうべき新時代が始まりつつある。

 2019年後半になって、IoT(Internet of Things)端末向けのエネルギーハーベスティング(Energy Harvesting:EH)技術の分野で大きな進展があり、従来の課題を解決する技術、そしてまったくの新技術も登場してきた。具体的には、最初の開発から約28年がたつ色素増感型太陽電池(DSC)のIoT向け実用化がようやく始まったほか、毒性がなく低コストの材料から成る、機械的強度も優れた熱電発電素子、さらには、これまでは実現が難しいとみられていた温度差不要の熱発電素子などである。いずれもIoT端末の電池交換の手間をなくす、または軽減する技術で、IoT端末の本格的な普及に向けて大きな弾みになりそうだ。

 EH技術は、光や温度差、振動、そして環境電波のエネルギーなどを“収穫”して電力に変換することで、IoTなどの低消費電力の端末を電池不要にすることを狙う技術である(図1)。

図1 エネルギーハーベスティング技術は課題山積
IoT端末の電池を不要にするエネルギーハーベスティングの各技術の発電出力密度と実用化への課題を示した。(図:NEDOの資料を基に本誌が作成)
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 これまで多くのEH技術が提案、開発されてきたが、各技術にそれぞれ課題があり、なかなか実用化が進まなかった。例えば、室内光など弱い光で比較的効率よく発電できるDSCは、電解液の液漏れが長年の課題。それを防ぐ封止構造を備えたモジュールの量産技術もメーカーごとに異なり、決定打がなかった。

 そうした長年の停滞がようやく終わりそうだ。最近になって、DSCの商用利用への壁を越える動きが相次いだからである。

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