農業ロボットは現在注目の的だが、米国シリコンバレーを拠点にするZtractorは、基本的な農機であるトラクターを自動化してそこに付加価値を加えようとする(図1)。創業者のBakur Kvezereli(バクール・クヴェゼレリ)氏に聞いた(図2)。

図1 トラクターを電動化・自動化
自動運転機能を備えた「Mars 45」のイメージ画像である。(写真:Ztractor)
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図2 Bakur Kvezereli(バクール・クヴェゼレリ)氏
米Ztractorの創業者兼CEO。ジョージアのGeorgian Technical Universityでコンピュータ科学を専攻し、その後、トマト農家経営を経て政策に関わる。2008年から2011年までは、ジョージア農業大臣を務めた。その後、米MIT Sloan School of ManagementでMBAを取得。ケニアの農業技術開発企業、ジョージアの政府系ファンドなどに関わった後、特殊作物のマーケット・プレース「Maiaki」を創設。2017年12月から現職。(写真:Ztractor)
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農業ロボットに進出しようとしたきっかけは何か。

Kvezereli氏:私は2001年から農業に関わってきた。トマト生産業のマネージャーを務めたり、農業におけるテクノロジー利用のコンサルティングを行ったり、政策に関わったり、投資を行ったりしてきた。その中でヨーロッパのトラクターのレンタル業に関わっていた2017年ごろ、農家から電動トラクターを探して欲しいという要請を何件も受けた。ディーゼルや油圧システムは、部品が複雑であるとか油漏れを起こすなど問題が多かったからだ。ところが、米国も含めて電動トラクターを探し始めると、コンセプト機はあってもすぐに買える製品がない。そこで会社を興すことにした。その後、数週間で自動走行にするべきだとわかった。エネルギーの最適化だけではなく、耕作、植え付け、レーザ利用の整地など農業に必要なあらゆる作業が効率化でき、精密農業が実現できると考えた。

最近の農業ロボットは、イチゴやリンゴの収穫、レタスの間引きなど単一機能のために開発される一方で、Ztractorは汎用的な農業ロボットを目指しているという。どんな技術を搭載するのか。

Kvezereli氏:農家に全く新しい農機を買わせるのは非常に難しい。そこで、我々は既に農家にあるトラクターだが、その動力が電気化しているというものにすることにした。自走トラクターについてはゼロから作っており、様々な企業の部品を集めている。用途に合わせて、24、35、125馬力の3モデルを出す。トラクターは別の農機を牽引するなど従来の機能を果たすほかに、農家が耕作を計画し、収穫を予測できるようなプラットフォームを提供する。センサとカメラで土壌、水、大気、作物の状態をモニターしてデータ収集して分析し、問題の解決策も提案する仕組みだ。

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