日経 xTECHは米Magic Leap(マジックリープ)のMR(Mixed Reality)用ヘッドマウントディスプレー「Magic Leap One」を分解した。同製品の特徴は、着用者の目の状態に応じて映像の表示を変えて自然に見せる光学技術を、世界で初めて搭載したこと。光学の専門技術者らの協力を得て明らかになった“遠近両用”を実現する光学系の仕組みを解説する。

 今やMR(Mixed Reality)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)の代名詞といえる米Microsoftの「HoloLens」。その存在を脅かすHMDが登場した。それが、2018年8月に発売となった米Magic Leapの「Magic Leap One: Creator Edition」(以下、Magic Leap One)である。

 HoloLensと比べてプロセッサー性能が向上したほか、視野角が広くなり、視線に応じて映像の見え方を切り替える光学系を搭載したことが特徴だ。こうした強力なハードウエアを活用し、例えば置時計の3Dモデルを現実空間に配置した場合、まるで実物がその場にあるかのように見せることに成功している。ここではその工夫に迫る。まずは両者のスペック比較から始める。

HMDと処理部を分離し高性能化

 Magic Leap Oneは、プロセッサーや2次電池などを、映像を表示するHMD部分と分離した設計となっている(図1)。このうちHMD部分の「Lightwear」は、仮想オブジェクトの映像を表示する光学系モジュールや、外部の環境を認識するカメラなどのセンサー類、それらの映像を処理する基板を搭載する(図2)。プロセッサーやメモリーなどの主要な半導体部品や2次電池を搭載するのが、小型端末の「Lightpack」だ。これら2つはケーブルで接続されている。利用者はHMDを頭にかぶり、Lightpackをベルトなどで腰のあたりに装着する。

頭部に装着するHMD「Lightwear」
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ベルトで腰に装着する端末「Lightpack」
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コントローラー
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図1 HMDと小型端末をケーブルで接続
Magic Leap Oneは、プロセッサーやメモリー、2次電池などの主要部品を搭載した小型端末「Lightpack」を、HMD「Lightwear」とケーブルで接続する構成となっている。スペースや重量の制約の厳しいHMD部と、処理負荷の高い端末側を分離したことで、高性能なハードウエアの搭載を実現した。仮想空間内でのメニューや仮想オブジェクトの操作はコントローラーで行う。(撮影:スタジオキャスパー)
図2 シンプルな構成で軽さを実現
重さ359gに抑えたLightwearの中身はシンプルにまとまっている。着用者から見て右の側面にはコントローラー位置追跡用の磁気センサー(子コイル)があり、コントローラー側の磁気センサー(親コイル)と組み合わせて使用される。(撮影:スタジオキャスパー)
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