多くの技術者が革新的な研究に取り組み始めたパワーエレクトロニクス分野。本誌は、同分野の大学や高等専門学校の研究者を応援する「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード 2018」を実施、専門家の協力の下、実用性が見込める新発想の技術を提案した6チームを選出した。前号の3件に続き、今号でも3件の研究を紹介する。ライターの山下勝己氏が、新型のAC-AC変換回路、SiC素子を搭載した機器のEMI対策に有効な設計指針、バスバーにおける高速スイッチング波形の測定手法を解説する。(本誌)

東京工業大学・藤田英明氏の研究グループ

商用から高周波ACに直接変換、誘導加熱器の高効率化を実現へ

大阪大学・舟木剛氏の研究グループ

SiCダイオード搭載電源のEMI、特性把握で対策を設計初期に

首都大学東京・和田圭二氏の研究チーム

バスバーに電流測定コイル内蔵、100MHzスイッチング波形も測定

前号の3件

芝浦工業大学・赤津観氏の研究チーム

EV向けインホイールモーター、SiCや5相駆動で「機電一体」に

東京工業高等専門学校・綾野秀樹氏の研究チーム

インバーターの零相電圧を活用、発熱集中を緩和し騒音も低減

千葉大学・佐藤之彦氏の研究チーム

インバーター多値化で高効率に、スイッチング素子を集積し普及へ

 「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード」は、本誌が日本の大学の理工系研究室とエレクトロニクス分野のスタートアップ企業の研究開発を応援する「NEイノベーション・アワード」の一環。2016年にアナログ分野、2017年にパワーエレクトロニクス(パワエレ)分野で実施した。パワエレ技術が産業界に革新をもたらすことを特に若い世代にアピールし、この分野へ携わる技術者を元気づけ、また増やすことを目的とする。表彰対象は、パワエレ技術(電力の変換や開閉などの制御技術)、パワエレ基盤技術(回路や制御アルゴリズム、設計、半導体などの要素技術)、パワエレ応用技術(モーターなどパワー出力装置、発電装置、送電機器、鉄道、自動車など)に関する2年以内の発表(基になる研究発表が2年以上前のものも含む)。審査基準は、従来にない発想による「革新性」と、産業界で普及が見込める「実用性」を備え、産業や社会に進化をもたらす「産業インパクト」を与えると期待できること。東京工業大学教授の赤木泰文氏を長とする「技術選出員会」を2人の選出員(東北大学・国際集積エレクトロニクス研究開発センター センター長の遠藤哲郎氏と、産業技術総合研究所・先進パワーエレクトロニクス研究センター研究センター長の奥村元氏)で組織し、6候補を選出。鉄道総合技術研究所会長の正田英介氏を長とする「審査会」で最優秀賞と審査員特別賞を選定する。併せて実施する読者投票の結果から読者賞も決める。贈賞式は2018年12月12日に東京都内で開催する予定だ。


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