オランダASMLのEUV向け露光装置「NXE:3400B」のイメージ
(図:同社)
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 一時期滞っていた「ムーアの法則」が再び動き始めた。7nm世代の半導体技術を多くのメーカーが採用。2020年には5nm世代での量産も始まる見通しになった。

 それを決定付けたのが、台湾TSMCが2019年4月に、「5nm世代」とする半導体プロセスを利用する準備が整ったと発表したことだ。同時にそのための設計ツール群をユーザー企業に提供し始めた。第5世代移動通信システム(5G)に向けたSoC(System on Chip)や人工知能(AI)に向けた高性能コンピューターのマイクロプロセッサーなどを主な想定用途とする。2019年中はリスク生産で、量産は早くて2020年になる見通しだ。

 5nm世代は、極端紫外線リソグラフィー(EUV)の本格利用時代の幕開けともなる。EUVは既にTSMCや韓国Samsung Electronicsが7nm世代で一部プロセスに利用可能にしているが、5nm世代ではプロセスの主軸に使う。

利用企業が殺到

 7nm世代の利用には、既に多くの半導体製品メーカーが手を挙げたり、量産を始めたりしている(表1)。例えば、米AMD、米Apple、中国Huawei Technologies(華為)、米Qualcomm、米Xilinx、英Armなどだ。

表1 半導体の最新プロセスと採用メーカー
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 7nm世代の半導体チップ量産で先陣を切ったのは、Appleが2018年9月に発表した「A12 Bionic」だ。このため、5nm世代の初採用でもAppleは最有力といえる。

 その対抗馬筆頭が、Huaweiとその半導体設計部門である中国HiSilicon Technologiesだ。Huaweiらは7nm世代で製造した移動通信システム向けSoC「Kirin 980」をAppleのA12 Bionicとほぼ同時期に発表。さらに2019年1月には、高性能マイクロプロセッサー「Kunpeng 920」も発表した。5nm世代の利用も積極的に進める姿勢で、2020年にはAppleと先陣争いを繰り広げそうだ。

 この他、Qualcommも2019年前半に、7nm世代の技術で製造する5G向けSoC「Snapdragon 855」を出荷する。Xilinxも年内に新型FPGAを7nm世代で量産する計画だ。

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