Googleの基調講演には長蛇の列。注目の高さをうかがわせた
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 米グーグル(Google)は、世界最大級のゲーム開発者会議「GDC 2019」(2019年3月18~22日、米国サンフランシスコ)の基調講演に登壇し、同社の今後のゲーム事業について語った。

クラウド型ゲームに本腰

 今回のGoogleによる講演の目玉は、2019年中に開始予定のデータセンターを活用したゲーム配信基盤(プラットフォーム)「Stadia」である(図1)。同基盤では、データセンターのサーバーでゲームの演算処理を実施し、その結果を映像としてクライアント機器に伝送する。いわゆるクラウド型ゲーム(クラウドゲーム)である。

図1 Googleによるクラウド型ゲームサービス発表の様子
Googleはクラウド型ゲームサービス「Stadia」を世界最大級のゲーム開発者会議「GDC 2019」で発表した。(写真:同社による配信動画をキャプチャー)
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 プレーヤーは、ゲーム機のような専用ハードウエアを用意しなくて済む。データセンター側(サーバー)に高性能のCPUやGPU、高速な通信インフラが整っていれば、テレビやタブレット端末、スマートフォンなどの汎用機で専用機並みのプレイができる。

 講演でGoogleはこうした点を訴求し、例えば高性能GPUを搭載していない「Pixelbook」で高画質のゲームをプレイするデモを壇上で見せた。

 Googleは、Android端末に向けたアプリ配信基盤「Google Play」を通じて、ゲームを配信し、従来の携帯型ゲーム機の市場を奪っていた。今回クラウド型ゲームを本格的に始めることで、米マイクロソフト(Microsoft)や任天堂、米Sony Interactive Entertainment(SIE)が手掛ける家庭用据置型ゲーム機(コンソールゲーム機)の市場を狙う。

8K、120fpsのゲームも視野

 クラウド型ゲームが既存の据置型ゲーム機市場を攻略できるかどうかは、据置型ゲーム機以上のゲーム体験を提供できるかによる。クラウド型ゲームにおいて、ゲーム体験を左右する要素は大きく3つある。サーバーと通信インフラ、そしてプレーヤーが利用するコントローラーだ。

 サーバーの演算処理性能が高いほど高画質、かつ高フレーム速度のゲームをプレーヤーは楽しめる。GoogleがStadiaに先駆けて、2018年に始めたクラウド型ゲームの試験サービス「Project Stream」では、1080p、60フレーム/秒(fps)の映像と、ステレオ音声に対応していた。Stadiaでは、サービス開始時から4K、60fpsの映像と、HDR(High Dynamic Range)のサラウンド音声に対応するという。将来は、8K、120fps超のゲーム配信を視野に入れている。

 同社は、高画素、高フレームレートのクラウド型ゲームを可能にするため米AMDとタッグを組んだ。Stadiaのサーバー向けに、処理性能が10.7TFLOPSのAMD製GPUを搭載する。Googleによると既存の据置型ゲーム機、例えばSIEの「PlayStation(PS)4 Pro」やMicrosoftの「Xbox One X」のGPUよりも高い演算処理性能を備えるという(図2)。さらに、利用するサーバーの台数を増やせば、スケーラブルに性能を高められる点が、既存のゲーム機と異なることを強調していた。

図2 「PS4 Pro」「Xbox One X」より高速
講演でGoogleは、「Stadia」が既存の据置型ゲーム機の「PS4 Pro」や「Xbox One X」よりも演算処理性能に優れることを強調した。(写真:同社による配信動画をキャプチャー)
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