東北大学が開発したIoT向け不揮発性32ビットマイコンのダイ写真。寸法は4.7mm角
(写真:東北大学)
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 東北大学はMTJ(磁気トンネル接合素子)に基づく不揮発性マイコンを開発し、消費電力が平均47.14µWであることを確認した。市販の200MHz動作の32ビットマイコンに比べると3桁近くも低消費電力で、エネルギーハーベスティングで得られる電力だけで動作する。MTJ、またはその動作原理である「スピントロニクス」の威力を示す結果となった。

電源や電池なしでの動作を目指す

 開発したのは、同大学 省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター(CSIS)および国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)センター長で教授の遠藤哲郎氏と、CSISおよび電気通信研究所 教授の羽生貴弘氏、同准教授の夏井雅典氏の研究グループである。

 遠藤氏らは、開発目標としてマイコンの消費電力を100µW以下にすることを掲げていた(図1)。100µWは多くのエネルギーハーベスティング技術で得られる電力の目安で、これ以下であれば電源や電池なしにマイコンを稼働できるためである。

図1 高速動作のまま桁違いの低消費電力化を実現
東北大学が開発した不揮発性マイコンと、IoT向けマイコンの最近の研究開発例との比較。多くが低消費電力化のためにビット数や動作周波数を大きく落としているのに対し、同大学は32ビット、200MHz動作のまま47.14µWと、市販の同じクラスのマイコンに対して1/1000近くの低消費電力化を果たした。(図:東北大学の資料に本誌が加筆して作成)
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