「コウペンちゃん」のぬいぐるみに「Simpleハードウェア」を埋め込んだデモ機
[画像のクリックで拡大表示]

 VAIOは、対話型ロボットを対象とした「ロボット汎用プラットフォーム」の提供を開始した。ロボットの開発およびサービス運用に必要なハードウエアやソフトウエア、クラウドサービスなどを包括的に提供する(表1)。同社はロボットを含めた電機製品のEMS(電子機器受託製造サービス)事業を手掛けており、さまざまな企業のロボット参入を促して同事業を拡大する狙いがある。

表1 ロボットの開発やサービス運用を支援
ハードウエアやソフトウエア、クラウドサービスなどを汎用プラットフォームとして包括的に提供する。参入のハードルを下げることで、EMS事業の拡大を図る。(VAIOの資料を基に本誌が作成)
ハードウエア
および関連サービス
専用筐体(Simple)、基板(Middle)
ハードウエア設計
静音ギアードモーターおよびその開発
ソフトウエア
および関連サービス
音声入出力システム(ビームフォーム、話者方向推定、エコーキャンセルなど)
音声認識システム
音声合成システム
顔検出/認識/追従機能
Q&Aシステム(対話システム)
スマートフォンアプリケーション開発
クラウドサービス ユーザー登録サーバー
課金サーバー
OTA(Over the Air)サーバー
音声認識サーバー
サポート修理業務
コールセンター業務

必要な要素を1つの筐体に

 同プラットフォームは、「Simple」と「Middle」の2種類がある。Simpleは対話に特化した低価格帯ロボット、Middleは対話機能だけではなく顔認識機能や可動機構なども備える中価格帯ロボットに向く。

 開発プロセスは基本的に従来と同じ受託設計製造だが、Simpleに関しては必要な要素を1つの筐体に収めた「Simpleハードウェア」として提供する構想も示した(図1)。具体的には、MPU(Arm Cortex-A7)やDSP、無線モジュールなどを実装した基板、スピーカー、マイク、バッテリーなどを搭載している。キャラクターに合わせて音声合成エンジンと対話エンジンをカスタマイズし、Simpleハードウェアをキャラクターのぬいぐるみなどに埋め込むだけで、開発がほぼ完了するという手軽さが特徴だ。

図1 必要な要素を1つの筐体に収める
低価格帯の対話型ロボットに必要な要素を収めた「Simpleハードウェア」によって、開発期間の半減を目指す。(図:VAIOの資料を基に本誌が作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 ハードウエアを共通化することで、ロボットの開発期間を従来の半分程度に短縮することを目指す。ただし、Simpleハードウェアは参考品という位置付けで、製品化するかどうかは現時点では未定である。

 一方、Middleでは共通ハードウエアとなる基板を用意しておき、筐体や可動機構は顧客の要望に合わせて個別設計する(図2)。基板の共通化によって、やはり開発期間の短縮が可能になる。開発期間は1年程度を想定している。MPUは「Arm Cortex-A53」と、Simpleよりも高性能なものを採用した。

図2 共通ハードウエアとしての基板を確立
Middle向けの共通ハードウエアとなる基板を用意しておくことで、開発期間の短縮が可能になる。具体的には、1年程度を想定している。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経エレクトロニクス」定期購読者もログインしてお読みいただけます。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら