被災当初から大規模な浸水被害が目立つ一方で、どちらかと言えば陰に隠れていた土砂の被害。ただし土砂災害での死者・行方不明者は意外と多く、台風19号による犠牲者の約2割に当たる17人に上る(2019年10月28日時点)。

 群馬県富岡市の土砂崩れは、犠牲者が多かった現場の1つだ。土砂災害防止法の土砂災害警戒区域に指定されない20度の緩い傾斜で発生した(写真12)。災害の予見は難しかったと、国土交通省などの調査で明らかになっている。

写真1■ 群馬県富岡市で発生した土砂崩れの現場。10月16日午後2時ごろにドローンで撮影(写真:群馬県県土整備部砂防課)
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写真2■ 斜面に向かって右側の崩落箇所から見下ろした集落の様子。傾斜が緩いことが分かる。10月16日午前8時ごろ撮影(写真:若井明彦・群馬大学大学院教授)
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 群馬県によると、土砂崩れが起こったのは、10月12日の午後4時半ごろ。富岡市内匠(たくみ)の集落の斜面が2カ所で崩れた。崩壊の幅はどちらも約20mで、深さは最大3mだ。土砂崩れは途中で合流し、住宅1棟が全壊、5棟が半壊(写真3)。住民3人が死亡、3人が負傷した。

写真3■ 崩壊した2つの斜面の間に位置していた建物周辺の様子。10月16日午前8時ごろ撮影(写真:若井明彦・群馬大学大学院教授)
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 土砂崩れのあった斜面の傾きは、土砂災害警戒区域(急傾斜地の崩壊)の指定要件である30度よりも緩い。現地を調査した国交省国土技術政策総合研究所砂防研究室の山越隆雄室長は、「土砂崩れの原因は、崩壊箇所に地下水が集中したためだろう。20度程度の緩い傾斜地で土砂崩れが起こる例は珍しい」と話す。

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