日本列島に記録的な大雨をもたらした2019年台風19号。東日本を中心に各地で河川の決壊や土砂崩れが発生し、インフラにも甚大な被害が生じた。行方不明者の捜索や復旧作業が続く。

 10月12日午後7時前、大型で強い勢いを保った台風19号が伊豆半島に上陸した。東日本を中心に記録的な大雨と暴風に見舞われ、13都県に大雨特別警報が発令された。

 総務省消防庁によると、台風による死者は10月17日午前5時時点で65人、行方不明者は14人。越水や堤防の決壊による市街地の浸水が相次ぎ、インフラにも甚大な被害が出た。

 長野県を流れる千曲川では、台風による増水で堤防が削られ、複数の橋が崩れた。上田市では上田電鉄別所線の橋梁の一部が崩落(写真1)。さらに、東御(とうみ)市でも県道の橋が一部崩落し、人を乗せた車3台が落下したとみられる(写真2)。

 長野市では、10月12日深夜から13日明け方までの間に千曲川の堤防が約70mにわたって決壊。国土地理院の浸水想定図によると、決壊地点から約5km四方の範囲にある市街地が浸水した。最大水深は4m以上に達したもようだ(図1写真3)。

長野県 千曲川氾濫
川幅が狭まる手前で堤防決壊
写真1■ 長野県上田市を走る上田電鉄別所線で、千曲川に架かる鉄橋の一部が崩落した。橋台を置いていた堤防が増水でえぐられたとみられる(写真:大村 拓也)
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写真2■ 千曲川に架かる県道81号の「田中橋」(長野県東御市)。橋の崩落によって落下した車のうち1台が下流に流され、行方が分かっていない。10月14日午前10時20分に撮影(写真:大村 拓也)
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図1■ 千曲川の氾濫で広範囲が浸水
決壊地点は川幅が狭くなっている区間の上流にあり、水の流れが滞って水位が上昇し、堤防決壊に至ったとみられる。図中の水深は被災後の写真や標高などから国土地理院が推定(資料:国土地理院)
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写真3■ 長野市内の千曲川の堤防決壊地点。堤防の復旧が夜を徹して進められた。10月15日午前6時ごろ撮影(写真:大村 拓也)
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 国土交通省によると10月17日午前5時時点で、国管理の7河川12カ所、県管理の52河川60カ所で堤防の決壊を確認した。越水などで氾濫が生じたのは16都県で200河川以上に上る。支流の水が本流に流れ込めず行き場を失ってあふれる「バックウオーター(背水)現象」による堤防決壊や越水の可能性が複数の地点で指摘されている。

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