真の働き方改革を目指して技術基準の執筆に注力する技術者、国内の人材不足を見据えてベトナムで技術者の育成に乗り出す経営者──。豊富な知識と経験を武器に、難局を打開しようと奮闘するベテランたちを追った。輝く後ろ姿は、次代を担う若手の手本にもなるはずだ。

  • 「維持管理を楽に」20以上の基準を執筆

    蔵治 賢太郎氏(49歳) 首都高速道路会社東京東局保全工事事務所副所長

     全長18.2kmの首都高山手トンネル。北半分の大橋ジャンクション(JCT)─熊野町JCT間が開通したのと同じ2010年3月28日、首都高速道路会社内に1つの新しい技術基準が誕生した。「トンネル構造物漏水対策ガイドライン」だ。

  • CIMの伝道師 ボトムアップで普及促す

    田中 栄吾氏(50歳) エイト日本技術開発関西支社河川・港湾グループサブマネージャー

     エイト日本技術開発関西支社国土インフラ部河川・港湾グループの田中栄吾サブマネージャーは、河川や砂防分野の設計技術者の他にもう1つの顔を持つ。同社の本社が直轄する技術本部CIM推進室長という役割だ。

  • ソフトバンクと提携し都市を「最適化」

    杉本 伸之氏(47歳) パシフィックコンサルタンツ都市マネジメント室長

     交通インフラの整備や管理に当たる関係者の間で、インフラ利用者の行動履歴を統計的に処理したビッグデータ、いわゆる「人流データ」の有用性が広く認識されるようになってきた。渋滞や混雑の発生状況が分かれば施設の改修や新設の需要が大きい箇所を特定できる他、人口の減少が進む地域では存続させるインフラを取捨選択…

  • 川づくりに生かす“魚の目線”

    橋本 健一氏(47歳) 大日本コンサルタント川づくり事業室主幹

     多自然川づくり、生物多様性といった言葉が土木業界に定着し、河川整備では魚などの水生生物に配慮した設計や施工が普及してきた。しかし、「水生生物の保護と治水の両立という“二刀流”を究めるのは自分にしかできないと自負している」。そう語る大日本コンサルタントの橋本健一主幹は、同社の“人材多様性”を象徴する…

  • 若手鍛える“道場” 朝会で力を磨く

    延藤 遵氏(54歳) 清水建設土木技術本部技術計画部部長

     受注を目指す工事の技術提案書の作成を支援したり、不具合が発生した現場をサポートしたり─。三十数人の技術者が所属する清水建設土木技術本部技術計画部は、同社の技術全般を取り仕切る本社の中枢部門の1つとなっている。

  • ベトナムで技術者を育て日本へ

    濱村 哲之進氏(63歳) アース建設コンサルタント会長

     「日本の生活は楽しみですか」「はい、とても楽しみです」。ベトナムにあるホーチミン市建設短期大学。日本語の授業で現地の学生に語りかけるのは、アース建設コンサルタント(宮崎市)の濱村哲之進会長だ。

  • 表彰多数の技術者 経営戦略を担う

    植田 大造氏(44歳) 八千代エンジニヤリング経営戦略室経営戦略課課長

     八千代エンジニヤリングの植田大造氏は2010年前後、堤防の設計業務などでたびたび発注者から表彰を受けるなど、30代の若さで同社有数の河川技術者として鳴らした一人だ。日経コンストラクション2009年10月23日号では、業務成績で高得点を獲得するコツを「積極的なコミュニケーションで発注者との信頼関係を…

  • 民間市場向けの技術開発を主導

    田中 亮一氏(42歳) 東亜建設工業技術研究開発センター新材料・リニューアル技術グループ主任研究員

     「2013年の港湾法改正で、民間の港湾施設管理者の意識は変わりつつある。これから需要の伸びが見込める工法だ」。東亜建設工業技術研究開発センターの田中亮一主任研究員は15年に開発し、現在は改良を進めている「タフリードPJ工法」の将来性をこのように語り、自信を示した。

  • 建設産業の未来像 目標案を提言

    野坂 周子氏(45歳) 国土交通省大臣官房技術調査課環境安全・地理空間情報技術調整官

     内閣府にひしめく省庁横断的な施策の1つに、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が所管する「ムーンショット型研究開発制度」がある。政府が数十年先の実現を見込む自然科学系の大胆な研究開発目標(ムーンショット目標)を掲げ、目標に沿った研究や開発に取り組む大学や企業などに補助金を出す制度だ。201…

出典:日経コンストラクション、2019年10月14日号 pp.30-31 特集 突破するベテラン
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