IT企業や自動車関連企業などの異業種が、「都市」の変革に乗り出した。背景には、急激に進むモビリティーの進化がある。道路を我が物顔で使うのは自動車──。そんな時代が変わり、道路に求められる機能と価値が転換し始めている。

 米グーグルの親会社である米アルファベット傘下の米Sidewalk(サイドウォーク) Labsが、これまでの道路の常識を打ち破るような構想を打ち出した。それも、単なる夢物語ではない。同社がカナダの主要都市トロントで計画中の再開発事業のマスタープランに盛り込んだのだ(図1)。

図1■ 自動運転車が行き交う近未来の都市像を描く
サイドウォークが描く新しい都市のイメージ(資料:Sidewalk Labs)
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 「生活、移動手段、エネルギー消費など、都市が抱えるあらゆる問題を解決する技術を開発して、住民の生活を向上させる」。2015年6月にサイドウォークの設立を発表した際に、グーグルCEO(当時)のラリー・ペイジ氏はその目的をこう語った。トロントの事業は、サイドウォークが挑む初の大規模な都市開発となる。

 再開発を計画するトロント市の水辺にあるエリアは最大で3.2km2にも及ぶ。「Quayside(キーサイド)」と呼ぶ小規模な地区から開発を始める予定だ(図2)。サイドウォークは17年10月、カナダ政府とオンタリオ州政府、トロント市による共同事業体「ウオーターフロント・トロント」からパートナー企業に選出されて事業に参加した。20年から本格的な開発に着手する計画だ。公的な事業費の他、サイドウォーク自ら、5000万ドル(約53億円)もの資金を投入する方針だ。

図2■ カナダ・トロントの水辺に先端技術都市を計画
キーサイドの開発イメージ。現在は工場などが並ぶ一画に、次世代の街並みを形成する計画だ(資料:Sidewalk Labs)
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