重機を自律化して省人化や省力化を図りたいというニーズは、人手不足がより深刻な地方の中小建設会社や建築の現場でも大きい。

佐藤工務店など
後付け装置で市販車両を活用

 地方の中小規模の建設会社と大学などがタッグを組み、ダンプトラックのロボット化に挑む例を紹介する。

 宮城県加美町の佐藤工務店と東北大学、千葉工業大学、三洋テクニックス(仙台市)、コーワテック(東京都港区)の5者は、ダンプトラックを自律走行させて、積み込んだ土砂の搬送作業を自動化する技術の研究開発に取り組んでいる(写真1)。

写真1■ 土砂を運搬する6輪ダンプトラック(右下)と開発が進む後付けロボット化装置。左上の写真のように運転席に設置して遠隔操作や自律運転に対応させる(写真・資料:佐藤工務店、東北大学、千葉工業大学、三洋テクニックス、コーワテック)
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 「中小規模の建設会社の多くは人手不足の状況だ。熟練オペレーターを搬送などの単純作業に充てることを不本意に思っている」。プロジェクトメンバーの1人、東北大学未来科学技術共同研究センターの鈴木高宏センター長補佐は、搬送作業を自動化するニーズをこのように解説する。

油圧ショベル用の装置を改造

 このプロジェクトは、2018年度から22年度の期間で実施するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業にも採択されている。開発テーマは主に次の3つだ。

 1つ目は、後付けロボット化装置だ。コーワテック製の油圧ショベル用遠隔操縦ロボットに、新たに開発したハンドル操作用の空気圧モーターユニットを加え、ダンプトラックを遠隔操作仕様に改造する。この次のステップで、無線信号を自動化信号に変え、自律運転仕様にする。

 2つ目は、自己位置情報の精度を上げる技術。受信した衛星測位信号のうち、ドローンで得た3次元地形データからマルチパスによる余分な信号を除き、精度を高める(図1)。

図1■ 余計な信号を除去
3次元地形データから反射信号を推測・除外して測位精度を高める(資料:佐藤工務店、東北大学、千葉工業大学、三洋テクニックス、コーワテック)
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 残り1つは、作業を行うエリアの3次元地形データから走行可能な領域だけをAIで抽出し、目的地まで安全かつ合理的に走行できる経路をリアルタイムに計画する技術だ。

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