分野別の売上高で好調を維持するのが、トンネルや地盤改良などの工事だ。一方、これまで順調に業績を伸ばしてきた反動で、次期の売上高の見通しでは減少傾向の分野も出てきた。それでも、大阪・関西万博の決定や災害復旧の需要など、売り上げ増につながる話題は多い。

シールド、山岳トンネル、ダムなど
まだまだ続く「トンネル景気」

 2018年度に迎えた決算期の分野別売上高で、全体的に伸びたのがトンネルだ。シールドトンネルでは上位20社の7割が増収。100億円超を計上した会社が12社あった。5年前に日経コンストラクションが実施した同様の調査では、100億円を超えた企業は4社だけだったのに比べると、工事量の増加が実感できる。上位20社中14社が、次期も増収または横ばいと読む。

 20社のうち対前期で売り上げを2倍以上に伸ばしたのが、奥村組と竹中土木だ。奥村組は18年度に関東方面で複数のトンネルを掘り始めた影響で売り上げが急増。次期も増収の予想だ。

 山岳トンネルの次期見通しは、もっと明るい。回答のあった売上高上位22社のうち、減収を見込む企業は1社しかなかった。

 山岳トンネルの売上高が2位だった清水建設の土木技術本部開発機械部の小島英郷部長は、次のように説く。「山岳トンネルやシールドトンネルの工事は東京・地方を問わず全国で発注量が増えている。ゲリラ豪雨など、急激な雨に備えるための調整用の幹線整備工事が増加しているようだ」

 18年度の同社の決算では、ダムの売上高も目立った。「八ツ場や簗川、平瀬、鹿野川など大きなダム工事が集中していた。これまでの会社の歴史の中でも、多くのダムを施工した時期だったと思う」(清水建設土木技術本部の樋口義弘本部長)

各専門分野について、調査対象とした決算期に対する次期の売上高見通しを「増加」「横ばい」「減少」の3つの選択肢から選んでもらい、「増加」と答えた会社の割合(%)から「減少」と答えた会社の割合(%)を引いた数値(ポイント)をグラフ化した。各専門分野の売り上げのある会社の回答を有効とした。有効回答数はシールドトンネル38、山岳トンネル40、推進40、ダム25、機械土工36、地盤改良45、PC30、基礎38、鋼橋上部21、法面35、舗装60、海洋27
記事内の表でカッコ内は対前期増減率。売上高比率は土木の売上高に占める分野別売上高の割合。前期の売上高が不明の場合は、カッコ内を―とした。次期見通しのは「増加」、は「横ばい」、は「減少」、―は「不明」を表す。記事内の表はアンケートを基に日経コンストラクションが作成
■ 各工事分野の次期売上高の見通し
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■ シールドトンネル
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■ 山岳トンネル
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■ 推進
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■ ダム
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