小規模な自治体で、大手建設コンサルタント会社が維持補修に参入する例が目立つ。発注者支援などの需要に商機を見いだしての動きだ。包括委託の仕組みづくりや支援ツールの導入を提案している。

 インフラの補修工事は、現場に入ってから想定を超える劣化が判明するケースがあり、計画通りに進まないことは多い。費用が膨れ上がり、その後に予定していた別のインフラの補修を先送りせざるを得ない場合もある。財政や人材に余裕のない小規模な自治体にとって、事前に立てていた長寿命化計画を、こうした変化に即応して見直すのは難しい。

 オリエンタルコンサルタンツは2018年度、ある自治体から橋梁長寿命化計画の作成を受託した際に、「橋梁維持管理計画最適化システム」を開発した。この自治体が19年度から試用を始めたのを受け、他の自治体にも導入を提案することにした(図1)。

図1■ 作成済みの長寿命化計画を途中で見直せるソフトウエアを開発
橋梁維持管理計画最適化システムのイメージ(資料:オリエンタルコンサルタンツ)
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 自治体が自分たちで、橋の点検結果や予算配分などに応じて長寿命化計画を随時変更できるようにするシステムだ。修繕の先送りなどで計画と実際の進捗との間にずれが生じた場合に、直ちに計画を修正できる。

 このシステムを利用すると地域の地理的条件などをきめ細かく計画に反映できる。例えば、ある橋の補修費用が想定を超える塩害で増大した場合に、同じ地理的条件の他の橋も同様に費用が増えるとみて計画を見直せる。補修に配分される予算額の変動に備えて、計画の進め方に複数のパターンを設けることも可能だ。

 長寿命化計画のベースとなる定期点検の結果を反映する機能もある。橋の健全度が4段階評価で下から2番目のIII判定だった場合、次回の点検までに補修するよう求められる。

 しかし、小規模な自治体では財政上、III判定の橋を数年以内に全て補修するのは難しい。このシステムには、点検結果と地域内にある橋の過去の劣化傾向に基づいて、個々の橋の劣化曲線を描く機能がある。修繕の緊急度に応じて優先順位を付けられる。

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