インフラの一部の維持補修を管理者がまとめて建設会社などに委ねる「包括委託」。新潟県三条市が道路などを地元企業のJVに委ねた事業がII期に入った。JVは大手建設コンサルタント会社を迎えて、橋梁の点検と補修を新たに受託した。

 5年に1回の橋梁定期点検と、それに伴う補修工事。今後、拡大が見込まれるこれらの仕事を、道路などの日常的な維持管理業務に組み込んだのが、新潟県三条市だ。市はインフラ管理で中心となる技術職員の約半数が50歳以上に達し、インフラ老朽化への対応で人材が足りなくなる危機感を持つ。そこで、点検と補修をまとめることで、発注手続きの負担軽減を狙った。

 道路の維持管理を手掛けていた地元建設会社は点検ノウハウの獲得と業務品質の向上を求めて、大手建設コンサルタント会社と手を組んだ。

 全国でも例のないこの取り組みは、三条市が一部の地域で2017年度から導入している「包括委託」だ。市は17~18年度のI期に、市道や公園などで包括的な維持管理・補修業務を地元建設会社などのJVに委託した。19年度からのII期は、橋梁の点検・補修を追加した。

 II期の契約期間は2巡目の点検に当たる5年間に延長した。5年分の契約金額は7億円ほどだ。橋梁も含めて、JVが実施する補修工事の1件当たりの金額を、I期の50万円未満の2倍を超える130万円未満に引き上げた。対象エリアも、I期の約10倍の41.5km2に拡大した(写真1図1)。

写真1■ 嵐北地区の橋の例。主桁が腐食し、床版は鉄筋が露出している(写真:日経コンストラクション)
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図1■ 対象エリアを10倍に拡大
包括委託の対象となった三条市嵐北地区の位置図(緑色と黄色の部分)。市の資料に基づいて日経コンストラクションが作成
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 I期の包括管理業務を受託した外山組(三条市)を「総括」とするJVはメンバーを増強し、プロポーザルを経てII期の業務を受託した。特に橋梁の定期点検と補修方法の検討のために迎え入れたのがパシフィックコンサルタンツだ(図2)。

図2■ パシコンが全体のマネジメントを支援
三条市嵐北地区の包括委託の体制図。緑地に白文字で記した会社はI期のJVにも参加した。パシフィックコンサルタンツの資料などを基に日経コンストラクションが作成
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 対象エリアに架かる218橋の大部分は、用水路の橋など長さ15m未満の小規模な橋梁だ。定期点検でIIIまたはIVと判定された橋が、補修の対象となる。既に包括委託前の定期点検でIII判定の橋梁が含まれると判明している。

 外山組で包括業務を担当する外山雅博営業部長にとっても、橋梁の定期点検を業務に加えることは念願だった。「市の橋梁の定期点検を新潟市の建設コンサルタント会社が受託していると知り、地元企業で担いたいという思いを抱いていた」(外山営業部長)。

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