定期点検要領の改定で、近接目視の代わりとなる技術の活用が認められるようになった。点検の効率化に向けて、ロボットを使った産官学の実証試験などが各地で進む。効果が確認される一方で、取得した膨大なデータの処理など課題も明らかになってきた。

 「幅0.3mm程度のひび割れならば、十分に捉えることができた。スクリーニング(点検箇所の絞り込み)に問題なく使える」。ドローンや遠隔操作カメラといったロボット技術のインフラ点検への活用について、岐阜大学の六郷恵哲特任教授はこう評価する。

 全国で初めて定期点検にロボット技術を本格活用した岐阜県各務原市の各務原大橋(写真1)。内閣府が進めるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の実装プロジェクトとして、六郷特任教授が研究責任者を務めた。

写真1■ 定期点検にドローンなどを活用した各務原大橋。2013年に完成した橋長594mのプレストレスト・コンクリート(PC)10径間連続フィンバック橋だ(写真:岐阜大学)
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定期点検に先立って作成した橋梁点検指針の表紙(資料:岐阜大学)
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 国土交通省が2019年2月に道路橋やトンネルの定期点検要領を改定し、近接目視の代わりにロボットを使うことが認められるようになった。しかし、各務原大橋で定期点検を実施した18年は、点検要領の改定前。当時は、基本的に全ての部材を近接目視するよう定められていた。

 そこで各務原大橋では、従来通り全ての箇所の近接目視を残しつつ、前段階でロボットを使って変状情報を取得することにした。二度手間にはなるが、事前調査で損傷状況を把握しておけば、近接目視の際は、それを確認するだけで済む。

 橋梁点検車を使って各務原大橋全体を近接目視する場合、従来方式だと10日間必要だが、事前調査をしておけば4日間に減らせる。1日約100万円かかる大型橋梁点検車のレンタル料を減らせるメリットは大きい。

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