地方で公共交通の衰退が大きな問題となるなか、各自治体はその維持に向けた施策を打ち出している。新幹線の誘致や既存新幹線の輸送力強化も大きな関心事だ。2027年開業のリニア中央新幹線は、町おこしの起爆剤になっている

 人口の減少や高齢化が深刻な地方では、地域住民に欠かせない「足」である公共交通をいかに維持し、充実させるかが重要な課題だ。

 北海道は2019年度から鉄道利用の促進事業を始める。道内のJR線が廃止されるのを防ぐため、より多くの人が利用するよう、道内の自治体や経済団体などで構成する「北海道鉄道活性化協議会」が実施する活動を支援する。予算は2000万円だ。

 協議会は、講演会の開催や新聞広告などへの情報発信、JR周遊観光商品のPR、観光列車を活用した動向調査、韓国や台湾、国内都市圏へのプロモーションといった活動を手掛けている。

 鉄道だけでなく路線バスの維持もますます難しくなるなか、群馬県は県内の路線バスに自動運転技術の導入を検討する。自動運転を取り入れて運営コストを下げ、地域の交通サービスを維持する狙いだ。19年度は2000万円を投じて実証実験を行う(写真1)。

写真1■ 【群馬県】路線バスで自動運転の実証実験
自動車以外の移動手段も選択できる社会への転換を目指す。写真は実験で使用する予定の群馬大学所有の車両(写真:群馬県)
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トンネル新設で秋田新幹線高速化へ

 地元への新幹線の誘致や既存新幹線の輸送力強化も、多くの自治体にとって大きな関心事だ。秋田県は19年度、秋田新幹線の高速化を目的に新たなトンネルを設ける構想の実現を図る事業を立ち上げた。沿線自治体などと連携して要望活動を展開したり、実現した場合の地域への経済波及効果を分析したりする。19年度は、予算に1208万円を計上した。

 新潟県は、富山から新潟を経由して青森に至る「羽越新幹線」の早期実現に向けた推進事業に327万円の予算を盛り込んだ。山形県や秋田県など関係する県と連携した調査・検討など、早期実現に向けた活動を加速させる。

 20年の東京五輪・パラリンピックや25年の国際博覧会(大阪・関西万博)など大型イベントの開催を機に、交通インフラの充実を図る自治体も少なくない。神奈川県は、東京五輪に向けた幹線道路の整備に161億円の予算を組んだ。この事業によって、大会開催に伴う波及効果を県内経済の活性化につなげる。

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