公共事業や建設業界に対する世間のイメージが回復傾向にあっても、それだけでは人は集まらない。労働環境や経営体質の改善に向けた取り組みに対し、実務者たちからは実効性を疑う声が上がった。

 建設業界と言えば「癒着」と「談合」──。世間に根付いたネガティブなイメージは、そう簡単に払拭できないようだ。日経コンストラクションの調査では、業界関係者が実感する以上に不健全な印象を世間が建設業界に抱いている現状が明らかになった。

 調査では、ネガティブなイメージとポジティブなイメージの項目を4つずつ設定。項目ごとに「非常にそう思う」から「全くそう思わない」までの5段階で評価してもらい、結果を点数化した(図1、点数の算出方法は図中の説明を参照)。

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図1 ■ 建設業界と世間のギャップは健在
建設業界に関連する各種イメージを5段階で評価してもらって点数化し、カッコ内に建設業界の回答、一般の回答の順に示した。点数が高いほど、マイナスまたはプラスのイメージが強いことを示す。それぞれの項目に対する回答で「非常にそう思う」を100点、「ややそう思う」を50点、「どちらとも言えない」を0点、「あまりそう思わない」を-50点、「全くそう思わない」を-100点として、回答者の平均値を算出した。回答者数は建設業界が258人、一般が493人(参照:調査概要

 ネガティブな項目には、「政治家や官僚と癒着している」「談合が広く行われている」「経営体質が古い」「労働環境が3K(きつい、危険、給料が安い)」を示した。一方、ポジティブな項目には、「地球環境に気を配っている」「地域の防災や災害復旧に役立っている」「地域の雇用を支えている」「地域経済を支えている」を設定した。

 一般の回答者のイメージが建設業界の回答者よりも強かったのが、「政官との癒着」と「談合」の2項目だ。一方、ポジティブな項目に関しては、4項目全てで業界関係者の方が一般よりも好意的な評価をしていた。特に、「防災・災害復旧への貢献」では点差が大きく開いた。

「公共事業は無駄」という刷り込み

 なぜ、世間と業界関係者の認識に差が出てしまうのか。日本建設業連合会の清水琢三副会長(五洋建設社長)は、「過去の批判的なニュースの影響を引きずっているのではないか」と推察する。

 世間に建設業界の“負”のイメージを植え付けた出来事はいくつかある。例えば、1993、94年に騒がれた「ゼネコン汚職事件」。建設業界と政界から逮捕者が続出し、業界に対する風当たりが強まった。

 2000年代に入ると、01年に田中康夫・長野県知事(当時)による「脱ダム宣言」が世間の注目を集めた。09年には「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げた民主党政権が成立し、事業仕分けを推進。「『無駄な公共事業』への批判が過熱したあまり、『公共事業は無駄』と国民に印象付けてしまった」。ある業界団体の幹部はこう漏らす。

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